背部を鍛えるのに最適な種目とは?

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前回に引き続き、筋電図を使用して、各エクササイズを比較した結果から、どの種目が背筋の発達に適しているのかということについて書かれたものを紹介したいと思います。

参考:http://suppversity.blogspot.jp/2011/07/suppversity-emg-series-latissimus.html

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背部の筋肉について

今回の内容は、僧帽筋、菱形筋、広背筋について調べたものです。

僧帽筋:赤色、菱形筋:青色、広背筋:緑色

僧帽筋は、脊椎と肩甲骨をつないでいる菱形筋を外側から覆っている筋肉です。縦方向には後頭部から下位胸椎へと走行していて、横方向には肩甲骨棘へと走行しています。この筋肉は背中の厚みを作る上で重要な筋肉です。

広背筋は文字通り背部で最も幅広い筋肉であり、逆三角形の幅広い背中を作る上で重要な筋肉です。

この後、背中の厚みと広がりをひとまとめにして論じるのですが、これには2つの理由があります。

1つ目に、強くて逞しい背中を作るにあたって、背部の筋肉は全て鍛える必要があること。

2つ目に、厳密に個々の筋肉それぞれに絞って鍛えることは不可能だということ。背部の筋肉は、(他のボディーパートよりもさらに)協調しあって作動しているのです。

背中の厚みと広がりは分けて考えることはできないのです。

広背筋

  1. 胸骨へのラットプルダウン(PS1):逆手のナロウグリップで、後傾して行う
  2. 頸部へのラットプルダウン(PN):順手の肩幅程度のグリップで、体を倒さずに行う
  3. ベントオーバーダンベルロウ(DB1):逆手で、手の平を前方へ向け、腕を体幹に近づけて行う
  4. 胸骨へのラットプルダウン(PS2):順手の肩幅程度のグリップで、後傾して行う
  5. ベントオーバーダンベルロウ(DB2):ニュートラルグリップ(手の平を体の方へ向け)て行う
  6. 胸骨へのラットプルダウン(PS3):順手の肩幅程度のグリップで、体を倒さずに行う
  7. シーテッド・ケーブルロウ(CR):V字のバーで、腕を体幹に近づけて行う

PNを100%としたときの各種目の筋電図の相対値(データ元:Boeckh-Behrens & Buskies. 2000)

上記のグラフからわかるのは、胸骨や頸部へ引き下ろす古典的なラットプルダウンが最も広背筋への刺激が大きいということです。ちなみに、このデータでは、プルダウンの引き方にバリエーションを付けた場合でも、広背筋の上部・中部・下部において刺激に目立った違いがなかったとしています。つまり、広背筋をはじめとした背筋を上部や中部や下部に分けて考えるということはできないということです。

その他に、上のグラフからわかる興味深い点としては、チーティングとされていた体を後傾させるという行為は、実は広背筋の刺激を高めるのに効果的だということです(ただし動作に合わせて後傾するのではなく、常に後傾させておくこと)。

体幹を45°後傾させることで、広背筋への刺激が11%UPする

上のグラフのPS3(順手の肩幅程度のグリップで、体を倒さずに行う場合)に比べて、体幹を45°ほど後傾させる(PS2)だけで、広背筋への刺激が11%もUPするということがわかりました。

同様に、DB1(逆手で行うダンベルロウ)は、上腕二頭筋に焦点をおいたバリエーションだと思われがちですが、適切な(脇を閉めて腕を体幹に寄せて行う)フォームで行った場合には、通常のフォーム(DB2)よりも広背筋への刺激が6%UPすることがわかります。

注:腕と体幹の角度(腕を体幹に寄せるか離すか)は種目の強度に影響を与えますが、実は大した差は生みません。例えば、ケーブルロウでは腕と体幹の角度が45°になっても広背筋への刺激は1%も減りません。ただ、90°(水平)まで腕を離すと49%ほど刺激が減少し、広背筋の種目というよりは三角筋後部の種目となってしまいます。

広背筋を鍛える自重種目

  1. プルアップ 順手、ワイドグリップ、後頸部へ
  2. プルアップ 逆手、ワイドグリップ、胸部へ
  3. プルアップ 順手、ワイドグリップ、胸部へ
  4. プルアップ 順手、ナロウグリップ、胸部へ

やや不自然な動きだが、後頸部へバーを引くプルアップ(下図)が最も広背筋への刺激が大きい。

ワイドグリップで後頸部へ引くプルアップを100%とした場合の相対値

多くのトレーニーの想像通り、ワイドグリップで行う順手または逆手のプルアップが、後頸部へのプルアップに次いで2番手となっています。一方で、ナロウグリップでは、扱うことができる重量が低くなることが影響し、広背筋への刺激が小さくなっています。

僧帽筋、菱形筋

菱形筋についてだが、僧帽筋を鍛える全ての種目は、その内側にある菱形筋も一緒に刺激することになる。そのため、このデータでは、菱形筋だけ別個に筋電図のデータをとることはしていないとのことです。

上部を鍛える種目

  1. ダンベルシュラッグ
  2. バーベルフロントレイズ ナロウグリップ
  3. デッドリフト

中部を鍛える種目

  1. マシーンリバースフライ(内転90°)
  2. ダンベルリバースフライ(90°)
  3. バーベルベントオーバーロウ(90°)
  4. ストレイトバーケーブルロウ
  5. フェイスプル
  6. ダンベルロウ(90°)

下部を鍛える種目

  1. マシーンリバースフライ(外転120°)
  2. ダンベルリバースフライ(120°)
  3. マシーンリバースフライ(外転90°)
  4. ショルダープル
  5. ダンベルリバースフライ(90°)
  6. マシーンリバースフライ(内転90°)

それぞれの部分において、*がついた種目を100%としたときの各種目の相対値

デッドリフトの数値は明記されていないが、著者は、「筋肉の解剖学的な機能と大きなてこの原理の観点からみて、デッドリフトはかなり効果的である」としています。

首や肩のトレーニングに分類されることもありますが、上背部の上位3種目はこれまでも現在も背中のトレーニングの基本となるものです。

中部に関しては、マシーンを用いたリバースフライが最も上位となっています。他のフリーウエイト種目と違って、マシーンでは上腕三頭筋や前腕の関与がないため、理想的なアイソレーション種目となっています。

腕と体幹との成す角度を90°から110°に変えることで、フリーウエイトでもマシーンでも、僧帽筋の下部への刺激を増すことができます。

ショルダープル(ラットプルマシーンを使って肩甲骨の引き下げのみを行う種目)は、インピンジメント症候群を予防しながら行える理想的なアイソレーション種目のひとつです。ああまり一般的な種目ではありませんが、リハビリでよく用いられるこの種目は、怪我を予防し、僧帽筋下部へ負荷をかけられる種目です。

ショルダープル:腕を伸ばしたまま、僧帽筋下部を使って肩甲骨を引き下げる種目

僧帽筋下部を鍛える自重種目

ディップス

プルアップ 順手のワイドグリップ

驚くかもしれませんが、ディップスは最も僧帽筋下部への刺激が大きい種目です。この結果は、僧帽筋を疲労させた後にディップスを行おうとすると、体を安定させることができないことからも納得できます。

背部は最も適切な刺激を与えるのが難しいボディーパートです。ウエイトを下ろすときに筋肉の力でなく、腱の力でなければ動きを止められないようならば、扱うウエイトが重すぎます。エゴを捨て、重りを軽くし、きちんと筋肉を働かせましょう。

実験結果のまとめ

ほとんど全ての種目が広背筋と僧帽筋(およびその内側の菱形筋)の両方を刺激します。

後頸部へのワイドグリップの順手のプルアップと胸骨への逆手のワイドグリップのプルダウンが広背筋への刺激が最も大きくなる組み合わせです。

ダンベルシュラッグとリバースフライ(90°および110°)が僧帽筋への刺激を刺激が最も大きくなる組み合わせです。

筋電図の結果に基づいた背部のルーティン

  1. 後頸部へのプルアップ:広背筋の発達と小さな筋群の活性化には、全身運動であるプルアップが適している。ウエイトを追加したり、レストポーズ法などを用いて5~10回の範囲で行う。
  2. 逆手のナロウグリップでの胸骨へのプルダウン:バーを引き切ったところでは、肘をなるべく後方まで引く。広背筋を十分疲労させる。8~12回。
  3. ダンベルシュラッグ:僧帽筋の上部の発達のために最大まで収縮させる。10~12回。(スイカの4、5をインターバルなしのスーパーセットで行う)
  4. リバースフライ(90°):マシーンを使用するのが理想的。僧帽筋中部の発達のため。10~12回。
  5. ダンベルリバースフライ(110°):軽いウエイトで灼熱感を得られるまで。僧帽筋下部の発達のため。限界回数まで。(15回以上できるようならウエイトを増やす)

考察

ディップスが僧帽筋に効くというのはあまりなじみがなかったので新鮮でした。

プルアップは通常は体の前にバーをもってくることが多いですが、広背筋に焦点をあてると体の後ろにもってくる方が刺激が大きいというのも知りませんでした。

背中の種目は非常に数が多く、中には習得も難しいものがありますが、いろいろ試していったら面白そうだと思いました。

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