脚部を鍛えるのに最適な種目とは?

SNSフォローボタン

フォローする

今回はさまざまなエクササイズによって大腿四頭筋、臀筋群、ハムストリングスが、筋電図上でどれくらい刺激されるかを調べた結果についてのまとめです。

参考:http://suppversity.blogspot.jp/2011/08/suppversity-emg-series-gluteaus-maximus.html

スポンサーリンク

脚部の解剖

大腿四頭筋(赤色):膝関節を伸展させるのに最も重要な筋肉で、歩く・走る・跳ぶ・しゃがむなどの動作に関わっています。人体で最も強力な筋肉です。

臀筋群(黄色):主に大臀筋、中臀筋、小殿筋という3つの筋肉によって構成されています。股関節の伸展や外転などを行う筋肉です。

ハムストリングス(青色):大腿部の背側の筋群の総称であり、半腱様筋と半膜様筋と大腿二頭筋によって構成されています。臀部を前に突き出したり、膝関節を屈曲させたり、下腿部を内転させたりしています。

その他に、内転筋群(緑色)や外転筋群(紫色)が大腿部の内側および外側にあり、腓腹筋とヒラメ筋がふくらはぎに存在しています。

大腿四頭筋の強化

数あるエクササイズの中から、まずは大腿四頭筋に最も効果的な種目は何かということをみていきたいと思います。

データは筋電図の数値(Boeckh-Behrens & Buskies. 2000)の結果を基にしています。

  1. 大腿四頭筋は4つの筋肉から構成されていますが、内側や外側などに特化したものではなく、全体の値であることに注意してください。
  2. ハックスクワット 膝の角度50°
  3. ハックスクワット 膝の角度90°
  4. バーベルスクワット 膝の角度70°
  5. 45度レッグプレス 膝の角度90°
  6. バーベルスクワット 膝の角度90°
  7. バーベルスクワット 膝の角度40°

ハックスクワット

45度レッグプレス

 

各種目の大腿四頭筋への刺激の比較

上の結果をみると、最も刺激が強い種目(ハックスクワット 膝50°)と、最も刺激が少ない種目(レッグエクステンション)との間に大した差がないことに気づきます。

また、各種目において、膝の角度を変えても、大腿四頭筋への刺激は大して変わらないということもわかります。

ここで注目すべきは、膝の角度の違いによる膝への負担の差です。以下のグラフを見てください。

スクワットにおいて、膝の角度毎に、体重+重りを基準(100%)としたときの、膝にかかる剪断力と圧迫力の比較

膝を深く曲げるほど爆発的に膝への負担が増すことが分かります。

以上から、膝の角度を増しても、大して大腿四頭筋への刺激は増えないにも関わらず、膝への負担はいたずらに増してしまうということなので、膝を無理に大きく(スクワットであれば70°以上)曲げることは避けた方が良さそうです。

筋電図上は、ハックスクワットでは膝を50度まで曲げることでわずかに(+0.38%)大腿四頭筋への刺激が増しましたが、バーベルスクワットでは、俗に言うアス・トゥー・グラススクワットを行うと大腿四頭筋への刺激が10.34%も減ってしまいます。

また、股関節を深く屈曲するほど、大腿四頭筋への刺激が弱まることが分かっています。股関節の角度が85°程度の45度レッグプレスと、50°程度のシーテッドレッグプレスを例に挙げると、85°では16%、50°では22.5%も大腿四頭筋への刺激が弱まってしまうという結果でした。(股関節を深く屈曲すると、臀筋への刺激が強まっていきます)

シーテッドレッグプレス

大腿四頭筋外側について

外側広筋を鍛えるには、高重量で膝を90°まで曲げて行うバーベルスクワットが最も効果的という結果でした。さらにつま先の角度が30度程度まで足幅狭めて、行うとやや効果がアップするかもしれません(±0.25%)。

各種目の大腿四頭筋外側への刺激の比較

上のグラフをみると、パラレルスクワット(膝が70°)まで膝を曲げなくても大腿四頭筋外側に限ると刺激が十分大きくなることがわかりました。さらに、軽い重量のフルスクワット(膝が40°)になると、刺激が18%も減ってしまうという結果でした。

同様にシングルレッグスクワットでも膝を曲げすぎると大腿四頭筋外側への刺激が減ってしまう傾向にありました。ここでも、重い重量で可動域をフルに使うことが刺激を最大化するという原則は変わりませんが、膝を曲げすぎないで良いため、怪我のリスクを増すことなく、最大限の刺激を得ることができます。

大腿四頭筋内側について

内側広筋には、ハックスクワットやレッグプレスがが最も有効な種目だという結果でした。(ちなみに外側広筋や中間広筋も同様)

各種目の大腿四頭筋内側への刺激の比較

上のグラフで、ハックスクワットをしのぐ結果を出している種目があります。それがレッグキックです。ボールを蹴るように蹴る動作を行うことで、ハックスクワットより19%も高い刺激が得られることがわかりました。

レッグキック

ちなみにこの種目は通常はレッグエクステンションで代用するのが良いと思います。

大臀筋の強化

各種目の大臀筋への刺激の比較

グルートレイズ in ヒップペンデュラム

珍しいレッグカールのバリエーションが最も臀部への刺激が大きいという結果でした。実にデッドリフトの2.3倍の刺激が得られました。ちなみに、これは実際は通常のうつ伏せで行うレッグカールです。ただ、太ももを背側へ向けてシートから浮かせるように意識するだけで構いません。

ハムストリングスの強化

各種目のハムストリングスへの刺激の比較

ハムストリングスに対しては、一般的なうつ伏せで行うレッグカールが最適だという結果でした。ハムストリングスにとってのレッグカールは、上腕二頭筋にとってのアームカールのようなものです。アームカールと同様に、高重量で、伸展したポジションに可動域を限定するか、コントロール可能な重量で最大限まで収縮させることで、通常のレッグカールより刺激を高めることができます(それぞれ+34%、+12%)。

脚の角度を100°ほどにして正しく行えばレッグリフトは十分な刺激が得られる自重種目です。

内転筋と外転筋の強化

これはマシンやケーブルを使用するのが最も効果的です。

スクワットでは内転筋が姿勢保持のために少し刺激されますが外転筋はほとんど刺激を受けません。

各種目の内転筋(adductor)および外転筋(abuductor)への刺激の比較

ふくらはぎ(カーフ)の強化

各種目のふくらはぎへの刺激の比較

ふくらはぎを刺激するのに最も適した種目はレッグカールでの刺激の弱さをみると、やはりいずれかのカーフレイズ系の種目は必要だということがわかります。

カーフレイズにはコツが2つあります。1つ目は筋肉を最大限に収縮させること(ピークコントラクション)で、2つ目は伸展した状態で収縮させること(フォースドコントラクション)です。ピークコントラクションのためには、収縮させたポジションで1秒ほどキープすると良いですし、フォースドコントラクションのためには、段差を使ってしっかりふくらはぎの筋肉がストレッチした状態を作れるようにすると良いです。

また、足の向きも重要です。足を平行にすることで最もふくらはぎ全体への刺激が高まり、つま先を外側へ向けると刺激が激減してしまいます。

足の向きによるふくらはぎへの刺激の比較

ちなみに、腓腹筋にはスタンディングかドンキーカーフレイズが有効で、ヒラメ筋にはシーテッドカーフレイズが有効です。膝を伸ばして行うほど腓腹筋に効き、膝を曲げて行うほどヒラメ筋に効いてきます。

最後にカーフの強化における「ハイレップス神話」について触れておきます。これはカーフは高回数で行わないと成長しないという迷信です。実際はエクササイズを正しい方法で行えていないことが原因です。筋肥大の原則に沿って、反動を使わず、収縮は1~2秒・伸展は2~3秒かけて行うことで、十分な刺激が得られるはずです。最もよく見られる失敗は、「ふくらはぎではなく、つま先を鍛えている」というものです。足関節の可動域を最大化するために、つま先ではなく、母指球の辺りを踏み込むように意識しましょう。

結論

さて、ここまでの結果から、これだけたくさんの種目を1回のワークアウトでこなさなければならないのかという疑問が湧きます。

ボディビルダーなどはこれらの種目を「レッグ・デイ」に行う時間の余裕がありますが、一般の人にとっては毎週1回1日中ジムで過ごす日を設けるというのはあまり現実的ではありません。ただし、強靭な脚を維持するには、多くの人が思っているより多くのトレーニングのボリュームが必要です。自身が胸や腕に割いたボリュームより脚に割いているボリュームの方が少ないようなら、さらにスクワットのセット数を足すべきでしょう。

トレーニングは基本通りアイソレーション種目よりもコンパウンド種目に重点を置きます。バーベルスクワットは、マシンほど臀筋や内転筋を刺激できませんが、体全体のパワーを増し、筋量を増し、体幹・ふくらはぎ、上背部も強化し、体脂肪燃焼やコンディショニングにも寄与します。このようにコンパウンド種目にはアイソレーション種目にはない効率的な全身強化の効果があることは見逃せません。

筋電図の結果に基づいた脚部のルーティン

  1. スクワット パラレル(膝を70°まで屈曲)。6~10回
  2. ハックスクワット 膝を90°まで屈曲。8~12回
  3. レッグカール 10~12回。
  4. ドンキーカーフレイズ 最後まで収縮させること(ピークコントラクション)を意識。12回
  5. シーテッドカーフレイズ 12回(オプションで追加)
  6. 外転筋および内転筋のマシン 12~15回

もし怪我などのためにバーベルスクワットが行えない場合はレッグプレスなどで代用します。

考察

筋肥大には機械的ストレスと代謝ストレスの両方が重要です。

機械的ストレスは高重量のバーベルスクワットで得られます。それに加えて代謝ストレスを得るためにハックスクワットやレッグカールやカーフレイズを行いましょう。

内転筋や外転筋は見過ごしやすい部位ですが、スポーツを行う場合は無視できない部位です。時間に余裕があって専用のマシンが利用可能な場合は積極的に取り入れると良いと思います。

Copyright secured by Digiprove © 2017
スポンサーリンク

フォローする

スポンサーリンク
スポンサーリンク