増量とがむしゃらに食べることは同じではない

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増量の時はある程度の体脂肪がつくことは許容して消費カロリーを上回る量のエネルギーを食事から摂取しなければならないと言われます。

しかし食べれば食べるほど筋肉がつくというわけではないことに注意が必要です。

ついつい増量期は気がゆるんで食べ放題になってしまう人も少なくないかと思いますが、それでは余分な脂肪がついているだけの可能性が高いです。

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筋肉をつけるための基本のおさらい

大前提として、筋肉をつけるためには十分なカロリーを摂取することが必要です。

消費カロリーより摂取カロリーが少ないと、体は体脂肪だけでなく、筋肉も分解して足りないエネルギーを補おうとするからです。

どんなにハードにトレーニングに打ち込んでも、粗食ばかりで体に十分な栄養素を与えていなければ筋肉は成長することができません。

筋トレ初心者には、痩せ型で食が細い人が少なくないため、筋肉をつけたければとにかく食べなさい、というように言われるわけです。

筋肉が増えるスピードには限界がある

確かに食べれば食べるほど「体重」は増えますが、食べれば食べるほど「筋肉」がつくスピードは速まるのでしょうか?

体脂肪、筋肉この画像はあくまでイメージですが、あるところまで摂取カロリーを増やすと筋肉の増加量はほぼ頭打ちになります。それより多くエネルギーを摂取しても体脂肪の増える量が増加するだけということです。

どんな人にも、個人個人で決まった筋肉の増加量の限界があります。

テストステロンやコルチゾールの量、インスリンの感受性、筋繊維の組成などの要因で決まるものであり、努力だけでは変えられない部分があるのです。

必要以上にエネルギーを取り過ぎると、確かに筋肉も限界近いスピードで増えますが、それよりもどんどん体脂肪の増える割合が増してしまい、たるんだ見た目の悪い体になってしまいます。健康管理上も良くありません

筋肉の成長について

摂取したたんぱく質はどのようにして筋肉になるのでしょうか?

口から摂取したたんぱく質はアミノ酸に消化されてから小腸で吸収され、血液中に取り込まれます。2-090

テストステロンをはじめとした筋肉の合成を促すホルモンの働きで筋肉の合成のスイッチが入り、インスリンの作用によって筋肉の細胞内へ取り込まれたアミノ酸が、筋肉となるたんぱく質へと合成されていくのです。

たくさんの食事を食べたところでたんぱく質の合成の速度は速くならないため、ある程度までいくと筋肉の増加量は一定となります。

筋肉の増加量の限界は?

食事、トレーニング、休養の3本柱が理想的な条件で整っている状態の場合、いったいどれくらい筋肉は増えるのでしょうか?

これは成人男性の場合、純粋に筋肉の量だけだと、1か月に約0.5~1㎏と言われています。

少ないように見えますが、1年で筋肉だけで6~12㎏も増えるということなので、かなりの増加量だと思います。

筋肉が増えるとそこに蓄えられるグリコーゲンと水分の分も体重が増えます。

そのため、一切体脂肪がつかずに、筋肉が1㎏増えると、体重は1.4㎏ほど増えます

理想的な条件での体重増加量が1か月あたり1.4㎏なので、1か月で体重が1.4㎏以上増えた場合は、それ以上の増加分は体脂肪が増えたと考えましょう。

「見た目」の罠

1か月で1.4㎏以上増えた分は体脂肪の重さだということを書きました。

中には「自分は1か月で2㎏も3㎏も増えたが、ちっとも見た目はたるんでいない。増えた分はほとんど筋肉だ」と思う人もいるかと思います。

男性の場合、体脂肪率が10%くらいになるとかなり引き締まって見え、18%くらいになると太って見えます。そしてその中間の13~15%前後の範囲内の場合は、多少の体脂肪率の変動があっても見た目はほとんど変わりなく見えます。7713.men-body-fat1.jpg-550x01

毎日鏡で見ている場合はなおさらその変化に気づきづらくなってしまいます。

しかし実際は、例えば体重70㎏の人の場合だと、体脂肪が13%から15%に増えると、実に1.4㎏もの体脂肪が増えているのです。

増量期と減量期を分けるのは是か非か

伝統的にボディビルの世界では、増量期と減量期に分けるというやり方が行われてきました。

オフシーズンは増量期としてバルクアップのためにたくさん食べて筋肉をつけます。そして、コンテスト前になると減量期として食事量を減らして体脂肪を減らすのです。

このやり方には2つの問題点があります。

筋肉をつけるための期間が限られる

減量期はエネルギー量が足りない状態を作るため、理論的には筋肉を増やすことはできません。さらに多くの場合、減量期には体脂肪だけでなく、筋肉も一緒に減ってしまいます。

もし減量期がなければ、その期間をさらに筋肉を増やす期間にあてられたはずです。

脂肪細胞が増加する

余分な脂肪がつきすぎる場合、既存の脂肪細胞が大きくなるだけでは足りないので、新たな脂肪細胞が増えてしまいます。

脂肪細胞に蓄えられた脂肪は減量期に減らすことができます。しかし、増えた脂肪細胞自体は手術で除去しない限りは減らせません。

脂肪細胞が増えれば増えるほど、太りやすく痩せにくい体質になってしまうのです。

「増量期+減量期」と「ゆっくり増量」どちらが良いか

それぞれ例をあげて比べてみようと思います。

増量期+減量期の場合

6か月間の増量期で12㎏体重を増やしたとします。(理想的なペースの2倍のスピードの体重増加)

そのうち筋肉は3~6㎏(0.5~1㎏/月)増え、あとはグリコーゲンと水分(1.2~2.4㎏)や脂肪(3.6~7.8㎏)の増加です。

そこから余分な脂肪を減らすために、減量を行います。

厳密な管理を行った場合、筋肉を減らさずに1週間で0.5~1㎏くらいの体脂肪が減らせると言われます。

この例の場合は、理論的にはだいたい8週間くらいで増えた体脂肪をカットすることができるはずですが、実際はカロリー制限による停滞を乗り越えながら体脂肪は減るはずなので、12~20週間(3~5か月)くらいは減量に要することになります。(しかも増量期を経るたびに脂肪細胞の増加のため体脂肪は減りにくくなっていきます)

9~11か月で(しかも減量中に筋肉がいっさい減らなかったとして)3~6㎏ほどの筋肉の増加なので、1か月あたり0.45㎏ほどの筋肉増加量です。

ゆっくり増量の場合

制限は行いつつも筋肉が増えるのに十分な量のカロリーは摂取して、1か月に0.7㎏のペースで筋肉を増やせたとします。

このペースで6か月経った場合、筋肉は4.2㎏増えますが、脂肪は2㎏前後しかつきません。

ついた体脂肪のカットも1~2か月ほどあれば可能です。

だいたい7~8か月で4.2㎏ほどの筋肉の増加なので、1か月あたり0.5~0.6㎏ほどの筋肉の増加となります。

これは上の極端なスピードの増量を行うよりも良いペースですね。何より減量が辛くなりづらいです。

なぜ極端な増量と減量の繰り返しがもてはやされるのか

これにはいくつかの理由が挙げられます。

1つは過去の伝統です。

昔は今ほどの高たんぱく低脂肪のサプリメントなどが充実していなかったため、増量のためにはとにかく食べるしかありませんでした。そのため増量中にかなり体脂肪がついていしまうのは仕方なかったと言えます。現在ではそのような食べ方をしなくても十分な栄養素を摂取することが可能です。

2つ目に、一部のナチュラルではない人々の存在です。

アナボリックステロイド、インスリン注射など、現在のボディビルは医療技術との関連なしでは語れません。もちろんルール上問題なく、それに命をかけている人々がいろいろな薬剤を使うことは否定はしませんが、そのような薬剤を使っている人と同様の体作りを一般化するのは無理があります。

3つ目はボディビルダーの体作りです。彼らはステージに上がる日に合わせて調整を行っています。昔ほどめちゃくちゃな増量はしないにしても、増量期と減量期に期分けして体を作ることが欠かせません。コンテスト直前の減量は熾烈なようですし、それが終わった直後の食事はしばらくかなり食べるようです。その反動を一般人が勘違いして、増量期はとにかくむちゃくちゃ食べると判断している部分が多々あります。

どれくらい食べたら良いのか

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諸説ありますが、なるべく体脂肪をつけずに増量したい場合は、除脂肪体重×40~45(kcal)ほど食べるのが良いと言われています。

例えば体重70㎏で体脂肪率15%の人ならば除脂肪体重が60㎏くらいなので2400~2700kcalくらいですね。

これくらい食べると、1か月で1~1.5㎏ほど体重が増えると思われます。

もちろん性別や日中の活動レベルや年齢で個人差はありますのであとは調整が必要です。

上記の見込んだ量ほど体重が増えていなければ摂取カロリーを250kcalほど増やして2~4週ほど様子をみましょう。

逆に1か月で2~3㎏も体重が増える場合は摂取カロリーを250~500kcalほど減らして様子をみましょう。

まとめ

筋肉は思っているほど速くは増えません。

焦らずゆっくり増量した方が、結局は効率よく筋肉を増やしたり脂肪を減らすことにつながります。

食事量の調整などは個人差の大きい部分ですが、今回の記事の内容を参考に食事摂取を心がけてもらえたら幸いです。

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