カロリー分配とカロリーサイクリング・マクロサイクリング

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体組成改善のためには、筋肉を増やして体脂肪を減らすことが必要です。

余剰なエネルギーは全て筋肉の増加に利用され、不足したエネルギーは全て蓄積された体脂肪からまかなわれるのが理想的です。しかし、残念ながら実際はそうはいきません。

ある一定の比率で摂取したエネルギーは筋肉の肥大と体脂肪の蓄積に分配されます。また、エネルギーが不足した際には、一定の比率で体脂肪と筋肉が分解されてエネルギーがまかなわれます。

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カロリー分配は遺伝的にほとんど決まっている

カロリー分配について語る際に、p比という指標が用いられます。

p比とは、過剰摂取したエネルギーがどれくらい身体のタンパク質増加に利用されたかという比率です。

p比が高いということは筋肉がより多く増え、体脂肪があまり増えないという意味です。

p比は個人によって遺伝的に70%以上は決まっています。

遺伝的に恵まれた高いp比をもっている人は余剰なカロリーがより筋肉の増加に使われやすく、逆に、p比が低い人は筋肉を増やすためにより多くの体脂肪増加を伴います。

しかし、p比は3割弱ではありますが、食事や運動などの環境要因によって操作することができます。この部分をいかに管理できるかが、その人自身の体組成を最適化できるかに関わってくるのです。

カロリー分配に影響する因子

p比を決める代表的な要素は内分泌系、つまり種々のホルモンです。

成長ホルモン、テストステロン、コルチゾール、インスリン、甲状腺ホルモン、カテコールアミン、レプチン、グレリンなどが関わっています。

また、ホルモンを受け取る側の要素も影響します。つまり、骨格筋のインスリン感受性です。骨格筋のインスリン感受性が高いほど、少ないインスリンでたくさんのエネルギーを骨格筋が吸収できるため、p比が高くなりやすくなります。

骨格筋のインスリン感受性は筋力トレーニングをはじめとした運動で急激に良くなります。運動によって、エネルギーとして筋グリコーゲンが使われ、枯渇するため、これを補うためにエネルギーの取り込みが改善するのです。

体脂肪率もp比に影響します。体脂肪率が高いほど、カロリー不足のときには体脂肪が減りやすく、骨格筋が減りにくい傾向にあります。

カロリーサイクリング・マクロサイクリングという方法

カロリー分配を最適化して、体組成を改善するためには、増量と減量を分ける必要が出てきます。

従来は増量期と減量期として数週間から数ヶ月ごとに期間を区切った食事戦略をとるのが通常でした。

しかし、これでは、運動をしてエネルギー要求量が多い日にも、運動をせずにエネルギー要求量が少ない日にも同じ食事を摂ることになります。

そこで、一段進んだ考え方として、運動する日としない日で食事内容を変えるという戦略が出てきました。

端的にいうと、グリコーゲンが枯渇するような激しい運動を行う日にはカロリー・炭水化物を増やして脂質を減らし、筋肉をあまり使わない日にはエネルギー・炭水化物を減らして脂質を増やします。

ハイカーボ・ローファット(HCHF)

炭水化物摂取量を増やし、脂質の摂取量を減らします。

エネルギー摂取量は多くなります。

激しいトレーニングを行う日に適した食事になります。

果物や比較的脂質の少ない肉・魚を摂取するよう心がけると良いです。

インスリン量が増えるので、脂質の摂取は制限することが推奨されます。

炭水化物を十分に摂取することで、レプチンの量を適正化し、食欲が暴走するのを防いだり、トレーニングによって枯渇したグリコーゲンを補充します。また、代謝が停滞するのを防ぐ狙いもあります。

• エネルギー:維持量+500-1000kcal

• 炭水化物:7-13g/kg

• タンパク質:1.4-2.0g/kg

• 脂質:0.8-1.0g/kg

ローカーボ・ハイファット(LCHF)

炭水化物を減らして、良質な脂質の摂取量を増やします。

エネルギー摂取量は少なくなります。

休息日や短時間の高強度インターバルトレーニング(HIIT)を行う日に適しています。

炭水化物摂取量を減らすことで、インスリンを比較的低値に保ちつつ、脂質を十分に摂取することができます。これによって、テストステロン値が低下するのを防ぎます。

ナッツやオリーブオイルやココナッツオイルや青魚などを意識して摂取しましょう。

• エネルギー:維持量-250〜500kcal

• 炭水化物:5-7g/kg

• タンパク質:1.4-2.0g/kg

• 脂質:1.0-1.5g/kg

ファスティングデイ(絶食日)

オプションとして、減量のときには1日のエネルギー摂取量を極力少なくする(0〜500kcal/day)日を週に1回でも入れると、エネルギー設定がかなり楽になります。

ファスティングは、インスリン感受性を高め、インスリン値を低くし、成長ホルモンの分泌を盛んにします。

また、トレーニング日に摂取するエネルギー量をさらに高く保つことが可能になり、トレーニングの質も高まります。

24時間程度なら水やお茶やコーヒーなどだけで十分ですが、空腹が辛い人は500kcal未満を目安に少量のナッツなど良質なオイルを摂取しても良いです。

また、リーンゲインズやウォリアーダイエットなどの24時間未満のファスティングは、HCLFやLCHFの食事と組み合わせることも可能ですので、生活スタイルやトレーニングスタイルに合わせて柔軟にアレンジしてください。

エネルギー摂取量の設定の例

維持カロリーが2400kcal(除脂肪体重60kg程)とします。

目標は減量で、1週間のカロリー欠損を-2000kcal(=1日あたりだと平均-285kcal)とします。

1日あたりの摂取カロリーは、平均すると2100-2200kcal程度です。

ここで週に3回トレーニングをすると仮定します。

週に1日絶食(500kcal/dayとすると維持量-1900kcal相当)すると、その他の非トレーニング日は約2100kcalとします。すると減量中にも関わらず、トレーニング日は2600〜2700kcalも摂取できます。

絶食しない場合は、非トレーニング日に1900〜2000kcal、トレーニング日には2300〜2400kcalほどになります。

目標とする1日のエネルギー摂取量が決まったら、三大栄養素の量を決めます。まずは脂質とタンパク質の量を決めます。そして残ったエネルギーを炭水化物から摂取するよう計算します(脂質は1g=9kcal、タンパク質と炭水化物は1g=4kcalです)。

エネルギー収支や三大栄養素などの管理が前提

カロリーサイクリングやマクロサイクリングが役に立つのは、エネルギー摂取量や三大栄養素摂取量が適正であってこそです。

また、きちんとした睡眠やトレーニングも欠かせません。

食事管理の優先順位は、カロリー収支と三大栄養素のバランス(PFCバランス)の方が絶対的に優位であることを忘れないようにしてください。それを知った上で利用すれば、カロリーサイクリングやマクロサイクリングは体組成のさらなる改善に役立つことは間違いないでしょう。

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