スクワットとデッドリフトの頚椎の伸展の違い

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スクワットよりデッドリフトの方が頚椎が伸展して(顎が上がって)いる

スクワットとデッドリフトはどちらも腰を落とした状態から重量に抵抗しつつ膝関節と股関節を伸展するという運動です。

そして、どちらの種目においても脊椎をニュートラルポジションに保つことは重要な要素です。

そういう意味ではこの2つの種目は少し似ているとも言えます。

しかし、実際にやってみると、デッドリフトの方がスクワットよりも頚椎が伸展して、顎が上がって顔が前を向いた姿勢になりやすいことに気づくと思います。

これは世界トップクラスのパワーリフターでも同様です。

参考;74kgクラスジュニア世界記録Austin Perkins選手のスクワッデッドリフ

多少の例外はありますが、IPFの世界記録達成時の複数の選手の動画を観ていると、デッドリフトの方が視線が上を向きやすい傾向にあるようです。

なぜデッドリフトで頚椎が伸展するのか

Starting Strengthでの説明

Mark Rippetoe氏による名著Starting Strengthにおいて、スクワットの時は4~5フィート先を、デッドリフトの時は12~15フィート先を見るように記載されています。

そこでは、スクワットよりもデッドリフトの方が、より胸を高く上げることが重要であるということが理由として挙げられていますが、細かいメカニクスについては深くは語られていません。

デッドリフトで顎を上げるメリット

頭部の重みを支点に近づける

デッドリフトでは、股関節の伸展と腰椎の安定化が最も困難な要素です。

頭部は体重の5〜8%を占める重たい部位であり、これを視点に近づけることによってモーメントアームを短縮することは、デッドリフトでの挙上をより容易にする効果があります。

僧帽筋を効果的に使える

僧帽筋はデッドリフトにおいて重要な筋肉の1つです。

僧帽筋は上背部に位置する大きな筋肉です。

デッドリフトにおいて、僧帽筋の足側の部分は肩甲骨を引き寄せる働きをしています。

そして、頭側の僧帽筋は、バーの重さによって垂直方向に牽引される肩関節を引き上げる働きをしています。

筋繊維が収縮する方向が、力の方向に一致するときに最も効率が良くなります。

頚椎を少し伸展させて、僧帽筋の上部が鉛直方向になるべく一致するようにすることで、より効率的に力が発揮できるようになると考えられます。

その証拠に、デッドリフトで顎が上がるフォームを取る選手も、バーが膝の高さを超えて体幹が徐々に垂直に起きてくるにつれて、頚椎も徐々にニュートラルなポジジョンに戻っていくことが確認できます。

この僧帽筋上部の働きの違いが、デッドリフトとスクワットの間で顎の上がり具合が異なる最大の要因であると思われます。スクワットではバーを引っぱって挙上するという要素はないため、それほど顎を上げる必要性はないものと思われます。

また、デッドリフトでは、スクワットのように背中を反らしすぎることで後方にバランスを崩す心配がないことも、2つの種目の間で顎の上がり具合に違いが出る原因の1つであると思われます。

まとめ

デッドリフトとスクワットでは、デッドリフトの方がより頚椎が伸展して顎が上がった姿勢になる傾向がある。

この違いには、デッドリフトにおいて、頭部を股関節に近づけることによるモーメントアームの短縮や、僧帽筋上部の筋繊維の方向をバーの挙上方向に近づけることによるメリットがあることが背景にあると思われる。

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