最強の体幹トレーニング!デッドリフトのフォーム解説

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デッドリフトはスクワットと並んで全身の筋肉の出力を上げるのにとても効果的なトレーニング種目であり、ビッグ3と言われる代表的なトレーニング種目のうちのひとつです。高レベルのリフターでは300㎏近いウェイトを引き上げますし、趣味トレーニーの中にも200㎏程度を引き上げることができる人も少なくありません。反面、間違ったフォームで行うとその高重量ゆえに容易に故障を起こしてしまう種目でもあります。ぜひこの記事をよく読んで安全かつ効果的なデッドリフトに役立ててください。

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デッドリフトについて

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デッドリフトは床からバーベルを引き上げるという非常に単純な動作ですが、背面の筋群を中心に非常に多くの筋肉が動員される種目で、その分大きな力を発揮できるため、高重量を扱うことが可能です。多くの筋肉を一度に鍛えることができるため、少しトレーニングに慣れてきた辺りで初心者の方にもどんどん積極的に取り入れてほしい種目です。

フォームを学ぶ

2種類のスタイルについて

デッドリフトは、コンベンショナル(conventional)もしくはナロウスタンスと呼ばれる足幅が狭いタイプと、ワイドスタンス(俗に言う相撲スタイル)と呼ばれる足幅が広いタイプの2つに大別されます。

コンベンショナル(足幅が狭い)・タイプ

コンベンショナルデッドリフト

こちらは臀筋、下背部の筋群、ハムストリングスがより刺激されます。

一方下の画像がワイドスタンス。スモウデッドリフトと呼ばれるタイプです。

スモウデッドリフト

コンベンショナルと比較して、より上体が垂直に近くなり、股関節を大きく屈曲させ腰を深く落とした状態になります。

デッドリフトは理論上、短足で腕が長い人が有利となります。

スモウデッドリフトにすることで、股関節がよりバーに近づくことと、持ち上げる距離が短くなることから、人為的に足が短く腕が長くなった状態を作り出すことができるというのがこのフォームの特徴です。そのため、多くの場合、より重い重量を上げることが可能となります。

このフォームでは下背部にかかる負担が減り、主に脚力によってウェイトを持ち上げるようになります。

以上が2つのフォームの特徴ですが、これらのうちどちらが良いかは一概には決められません。(こちらの記事も参考にしてください)

下背部・臀筋・ハムストリングスを積極的に鍛えたいならコンベンショナルが良いですし、少しでも重いウェイトを持ち上げたかったり、腰にかかる負担を減らしたい場合にはスモウデッドリフトが良いと思います。目的に応じて2つを使い分けてください。

また、身体がかなり大きい人は、コンベンショナルデッドリフトの場合、身体が邪魔になって腕を真っ直ぐ下ろすことができなくなるためスモウデッドリフトの方が適しているかもしれません。

身体が大きすぎると、コンベンショナルデッドリフトでは手の幅が広がってしまうことがある。

スタンスの決め方

コンベンショナル・タイプの場合

足幅は垂直跳びをする時と同じくらいに開きます。大体20~30㎝離すと良いでしょう。

つま先を少し(10~20度ほど)外に向けるのがポイントです。これにより内転筋をより稼働できるようになります。

コンベンショナルデッドリフトのスタンス。垂直飛びをするときの足幅が目安。

A,B:正しいバーの位置。バーはすねから2~3㎝離す。

C:よくある誤り。上からみると足の中間にあるように見えるが、実際はすねとバーが離れすぎている。

バーは真っ直ぐ立った状態で、すねから2~3㎝離しましょう。足の中間部の真上にバーが来るようにしましょう。自分の目線で上から見ると真横からの見た目と少し違うので注意してください。上から見たときには、思っているよりも足の踵側に寄ったように見えると思います。

上から見ると、正しいバーの位置はかなり踵に近く見える。

スモウデッドリフトの場合

足幅はできるだけ広くした方が、バーの挙上距離は短くて済み、股関節とバーとのモーメントアームも短くなるため、スモウデッドリフトの特長をより活かすことが可能になります。

足幅が広いほど、バーと股関節とのモーメントアームが短くなり、挙上に有利。

基本的にはつま先がウエイトプレートに当たるギリギリまで広い足幅を目指します。

左:足幅を目いっぱい広げたスモウデッドリフトの正しいスタンス。

右:足の開きが中途半端。(セミスモウデッドリフトとも呼ばれる)

ただし、身体の大きさや柔軟性の関係で、足幅を目いっぱい広げると、膝を外に向けた状態を保てなくなる場合があります。膝が外を向いていないと、股関節とバーとの距離が広がるため、挙上に不利になります。

左:膝が前を向いてしまっている。お尻が突き出てバーと股関節の距離が開いてしまっている

右:膝が外を向いた良いフォーム。

つまりスモウデッドリフトの正しい足幅は、「膝を外に向けられる範囲内でなるべく広くする」ということになります。

基本的には、つま先の向きは膝の向きと平行になるようにします。ただし、つま先を外側へ向けすぎると、ロックアウトの直前でのバランスを保ちづらくなるので、その場合は膝を外へ向けるのに苦にならない範囲で少しつま先を前へ向けましょう。

左:程よくつま先が外へ向いた状態。右:つま先を外側へ向けすぎた状態。前後方向のバランスが不安定になりがち。

グリップ

バーの握り方には大きく分けてダブルオーバーハンドグリップとオルタネイト・グリップ(ミックス・グリップ)とフックグリップの3種類があります。

左:ダブルオーバーハンドグリップ

中央:オルタネイト・グリップ(ミックス・グリップ)

右:フックグリップ

ダブルオーバーハンドグリップ

左右の手の平を自分の方に向けて握る方法です。

左右均等に握ることができるため、フォームのバランスを取りやすいです。

握力が弱いと、バーが回転してしまいグリップが甘くなりやすいという欠点があります。

オルタネイト・グリップ(ミックス・グリップ)

左右の手のひらが逆向きになるように握る方法です。

バーが手の中で回転しづらく、高重量でもグリップが緩みにくいのが特長です。

デメリットとしては、挙上中に手のひらを下に向けた側に体が回転してしまうということです。それによって左右のバランスの不均衡につながってしまいます。

フックグリップ

親指をバーに巻き付け、その親指を人差し指と中指で押さえるという握り方です。

このグリップ法はかなり強い把持力を生みます。また、オルタネイトグリップのような左右のアンバランスさも生みません。

最大のデメリットは痛いことです。なれるまでの数週間から数か月はかなり痛い思いをします。ただ、慣れるとあまり痛みも出ないようです。

また、指が短い人は親指に人差し指と中指が届かないために適しません。

グリップの実際

基本的にはダブルオーバーハンドグリップがお勧めです。ただ、高重量高回数のセットをこなそうとすると、主動筋より先に握力が果ててしまうため、適宜握力補助器具を使いましょう。グリップが甘くならないようにすることはデッドリフトで非常に重要な位置を占めます。液体チョークなどの滑り止めを手のひらに塗ったり、 リストストラップパワーグリップなどを使用することは効果的です。また、ウォームアップセットの時にはなるべく握力補助具を使わないなどして握力の強化に努めることも重要です。

パワーリフター、ウエイトリフター、素手にこだわる人はフックグリップを使いましょう。

リストストラップやパワーグリップなどの握力補助器具を適宜使う。

利き手と逆の手を先に巻きつける。利き手は後から、片手で巻きつける。

それでは具体的なバーを握る位置の説明です。

ダブルオーバーハンドグリップやオルタネイトグリップの場合、バーは手のひらのうち、4本の指の付け根に近いところで握りましょう

人差し指と中指の爪(爪は皮膚より摩擦力が高い)を親指で抑え込んでふたをします。

A:正しい位置。4本の指の付け根に近いところで握る。

B:親指の付け根に近すぎる。バーが手のひらの中で動いてしまい、グリップが緩みやすい

フックグリップの場合は、とにかく親指の付け根に近いところでバーを握ることがポイントです。そうすることで、親指を深くバーに巻き付けたり、親指に人差し指と中指の第一関節を深くひっかけることが可能になります。親指の爪の摩擦力も使いましょう。チョークやベビーパウダーなどのすべり止めは必須です。

手の幅ですが、ちょうど肩幅くらいが良いです。バーを引き上げる途中で親指が少し太ももに接触する程度に開きます。手の幅が広くなるほど、バーの移動距離が長くなり、挙上に不利になります。左:手の幅は肩幅と同じにするのが最適。右のように手の幅が広くなるほど、より高い位置までバーを引き上げなければならなくなる。

膝の位置決め

2:グリップを決める。

3:膝の位置決め。バーとスネが触れるところまで下腿を前に出す。バーは動かさない。

がっちり両手でバーを握ったら、膝を曲げて、すねがバーに触れるところまで下腿を前に出していきます。この時点ではお尻はまだ下げずに膝関節と下腿だけを動かすようにしましょう。

腰の位置決め

膝の位置が決まったら、次は腰の位置を決めます。胸を張って腰を落としていきます。

脊椎は丸まったり反ったりせずに真っ直ぐに保ちます

A:脊椎がニュートラルに保たれた良い状態。B:腰椎が過伸展してしまっている。

目線は上を向きすぎず下を向きすぎず、約4~5m前方の床へ向け、頸部のポジションをニュートラルに保ちましょう。

広背筋をしっかり効かせてバーを体の方へ引き寄せるように意識してください。上腕と広背筋の角度が90度になるのが最も効率が良いです。
デッドリフト,広背筋

これは下のように数学的に証明されます(上腕骨ABと広背筋のなす角θが直角となるときに、広背筋にかかる負荷Fは最小となります)。

 

ただし、体型によっては上腕骨と広背筋の角度が90度にならない場合もあります。

 

左:足が長く、胴が短い 中央:中間的な体型 右:足が短く、胴が長い

拳上

大きく息を吸い込んでから拳上していきます。動作中は終始脊椎を真っ直ぐ保つようにしましょう。

バーがなるべく体に近い部分を通るようにすることと、前後にぶれずに真っ直ぐ上げるのがポイントです。

膝関節と股関節の使い方

スタートポジションから

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バーが膝関節の高さに達するまでは、膝関節の伸展が主体となります

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バーが膝関節の高さを越えた辺りから臀筋を強く収縮させ股関節を伸展させます

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バーが終始なるべく脚の近くで垂直の軌道を描いていくように拳上しましょう。

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もし、股関節を先に伸展させると、膝が邪魔になってバーの軌道が前方にぶれてしまいます。

正しい挙上動作。膝関節の伸展→股関節の伸展の順で起こり、バーの軌道は体に沿うように、垂直となる。

誤った挙上動作。バーの軌道が垂直になっていない。

フィニッシュポジション

体が垂直になったところがフィニッシュポジションです。

脊椎を過伸展させると椎間板ヘルニアなどの重大な損傷の原因となるので注意しましょう。

左:挙上が足りない 中央:正しいフィニッシュポジション 右:過伸展している

バーの移動距離を短くするという点から、肩をリラックスさせて、なるべく腕が下がった位置にするのもポイントです。

バーを下す

バーを下す時は、上げる時の逆に動作していきます。

つまり、まずは股関節を屈曲させて、膝の辺りまでバーが下りてきたら膝を曲げていきます

膝から曲げ始めると太ももにバーが乗っかってしまいます。

よくある誤り

背中のポジション

重さに負けて腰が丸まったりimage

逆に腰を反ったりしないようにしましょう。

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フィニッシュ・ポジションでも同様に腰は反らさないようにしましょう。

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これは胸腰椎の椎間板ヘルニアなど重大な事故に繋がるので絶対に避けてください。

逆に脊椎が真っ直ぐになるまでは引ききるようにしましょう。下の写真ではまだ引き上げが不十分です。

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太ももにバーを乗せる

重すぎる重量を無理に引き上げようとして大腿部を使ってバーを滑らせるように上げるのも誤りです。

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スタートポジションの腰の高さ

スタートポジションではバーは肩甲骨の中間部の真下にくるように腰の高さを調整しましょう。imageimage

腰が高すぎたり、image

腰が低すぎたりimage

上のように腰の高さが悪いと腕が垂直に保てずバーを真っ直ぐ引き上げることができなくなります。

また、微妙な差ですが、バーが腕の真下にくる位置だと、広背筋が十分使えずバーを体の近くに引き寄せた状態を保つのに不利になります。

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足の幅

足幅が広すぎると膝が腕に当たってしまい、腕がまっすぐ伸ばせず肘が曲がってしまいます。すると重さが上腕の筋肉にかかり重たい重量が扱えなくなってしまいます。

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床でバーベルをバウンドさせない

とくに初心者の場合は、デッドリフトを連続で行うときは、下しきったところで毎回一度バーベルを完全静止させてから次の拳上動作にうつるようにしましょう(dead-stop deadlift)。

もしタッチアンドゴーで行う場合は、床でバウンドさせると、その力が体幹に伝わってくるため、背骨をまっすぐ保ちづらくなりますので十分注意してください。

まとめ

デッドリフトは大変きつい種目ですが、体への刺激は抜群です。

下背部はもちろん、上背部や握力や臀筋やハムストリングスや肩まわりの筋肉も効果的に鍛えられ、全身のパワーアップにつながります。

デッドリフトは初心者にはフォームを習得しづらいと言われていて、故障もしやすい種目なのでとかく敬遠されがちですが、力強くたくましい体や美しくしなやかな体作りを目指す上でこの種目を行わないのは本当にもったいないです。

体に近い部分でバーを真っ直ぐ上げること、脊椎を真っ直ぐ保つことの2点さえ守れば大まかなフォームは習得できます。しっかりフォームが固まるまでは軽い重量でおこない少しずつ重量をあげていくことで故障のリスクは格段に下げることができます。

今回の記事を参考にぜひ日々のトレーニングにデッドリフトを取り入れてみてください。

その他のビッグ3についてはこちら

徹頭徹尾!スクワットのフォーム解説

停滞を打ち破れ!MAX更新のためのベンチプレスのフォーム解説

スモウデッドリフトのフォームについてはこちらも参考にしてください。

参考

Starting Strength (English Edition)

Powerlifting Deadlift Technique
Before we get started, I'd like to say that I drew heavily from the concepts I learned in Starting Strength to create this material. While Starting Strengthis n...
How to Deadlift: The Definitive Guide • Stronger by Science
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How to Deadlift with Proper Form: The Definitive Guide | StrongLifts
Best Deadlift guide on the internet. Covers everything from stance to grip. Master proper form, avoid back pain, and increase your Deadlift with these tips.
Tip: Don't Use a Mixed Grip When Deadlifting | T Nation
If you always used a mixed grip when deadlifting, you'll get injured. Instead, master the hook grip. Here's how.
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