ファスティングとカロリー制限の違い

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カロリー制限とは、毎日少しずつカロリーを制限することです。

例えば、毎日の消費カロリーより摂取カロリーを250kcal少なくします。

ファスティングは、1週間のうち例えば1日だけ全くカロリー摂取をしないことです。他の6日は必要十分なカロリーを摂取します。

どちらも単純計算では1週間で約1800kcalのカロリー不足が生まれます。これにより体重の減少が起こります。

数字の上ではどちらも同じように思えます。しかし、これらは本質的には全く異なるものです。

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カロリー制限するだけでは痩せない

単純なカロリー制限のみでは体重を減らすことはできません。

確かに一時的には体重は減ります。しかし、それは本当に一時的です。

実際、カロリーを制限して運動を増やしても、体重はほとんど減らなかったという大規模な試験結果があります。体重が減るのは最初の1〜2年程度で、数年後には、もともと76.7kgくらいだった体重がわずか0.4kgしか変わりませんでした。

Low-Fat Dietary Pattern and Weight Change Over 7 Years
Context Obesity in the United States has increased dramatically during the past several decades. There is debate about optimum calorie balance for prevention of...

カロリー制限では代謝が低下する

単純なカロリー制限のみでは、代謝が徐々に低下します。

そして、減らしたカロリー摂取量に見合った量まで代謝が低下したところで、体重減少は落ち着きます。

そのため、カロリー制限のみの減量法は、さらに摂取カロリーを制限します。しかし、体はそれに適応し、さらに代謝を低下させます。そしてまた体重減少は停滞します。

ファスティングでは代謝は低下しない

ファスティングでは、カロリー制限とは異なり、代謝は低下しません。下の図は4日間のファスティング中の安静時エネルギー消費量(REE:resting energy expenditure)はむしろ高く保たれます。

これはカロリー制限とは異なるホルモンの変化が起こるからです。

ファスティング中のホルモンは以下のように変化します。

• インスリンは低下し、体重のセットポイントが下がります。

• ノルアドレナリンは増加し、代謝は高く保たれます。

• 成長ホルモンは増加し、除脂肪体重は維持されます。

カロリー制限とファスティングの直接比較

インスリン

毎週のカロリー摂取量を同量に保ちつつ、毎日のカロリー制限とファスティングとを比較した試験があります。

この結果、体重と体脂肪は同様に減少しました。

しかし、2つの戦略で決定的に違っていたのはインスリン量でした。

ファスティング群(IER)ではインスリンがかなり低い値に減りましたが、カロリー制限群(CER)では、インスリンの量はある程度で低下が止まりました。

インスリンを低い値に減らすことは、インスリン抵抗性の改善や予防に役立ちます。インスリン抵抗性とは、インスリンが効きにくくなるということです。インスリン抵抗性によってもたらされる高インスリン血症の結果が肥満であり、内分泌的にはインスリン抵抗性の改善とはすなわち肥満の改善とほぼ同義なのです。

インスリンが減るとインスリン抵抗性が改善されます。これはとくに内臓脂肪の減少に役立ちます。

体組成

毎日400kcalのカロリー制限した群(CR)と、1日ごとにファスティングする群(ADF)とを比較した試験があります。

A randomized pilot study comparing zero-calorie alternate-day fasting to daily caloric restriction in adults with obesity
To evaluate the safety and tolerability of alternate-day fasting (ADF) and to compare changes in weight, body composition, lipids, and insulin sensitivity index...

体重は大した変化はありませんが、両群間には体組成の変化に違いが見られます。ADF群ではより多くの内臓脂肪(trunk fat mass)の減少が見られたのです。

また、除脂肪体重%はファスティング群の方が、カロリー制限群よりも良く保存されていました。

基礎代謝

基礎代謝についても、ファスティング群とカロリー制限群で違いが見られました。

基礎代謝を表すadjusted RMRは、カロリー制限群では有意に低下しましたが、ファスティング群では有意な変化はありませんでした。

食事制限終了後の変化

食事制限終了後についても違いが見られました。

カロリー制限群では、体脂肪と除脂肪体重の両方が増えました。

ファスティング群では除脂肪体重を取り戻して、体脂肪は減り続ける傾向にありました。

これは、ファスティング群は制限終了後も、ファスティングを継続する人が多かったことが影響していると思われます。

ファスティングは継続がより容易なのです。継続こそが食事療法の最大のポイントであることは周知の事実です。

なぜファスティングは継続が容易かというと、空腹感がコントロール可能だからです。

カロリー制限を行うと、グレリン(空腹感)が増え、レプチン(満腹感)は減ります。

しかし、ファスティングでは、グレリンは増えません。むしろ徐々に減ります。

ファスティングは飢餓感を増さず、むしろ続ければ続けるほど空腹感から解放されて楽になってくるのです。

まとめ

カロリー制限とファスティングは、どちらもカロリー不足をもたらすが、本質的には全くことなる。

カロリー制限では、体重は一時的に減るが、いずれ停滞し、リバウンドする。

カロリー制限では代謝の低下が起こるが、ファスティングでは低下せず、むしろ増加する。

カロリー制限とファスティングでは、体重減少という点では短期的に同様の効果が得られるが、体組成の変化は、ファスティングの方がより好ましい(ファスティングの方が除脂肪体重が維持され、内臓脂肪をはじめとした脂肪量が多く減る)。これはホルモン応答が全く異なることによる。

ファスティングは継続可能であることもカロリー制限と決定的に異なる。

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