筋肥大のための重要な要素「Effort(エフォート)」について

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筋肥大を目的とした場合、ボリューム(volume)と並ぶ重要な要素として、エフォート(effortt)というものがあります。

今回はこのEffortについての解説です。

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エフォート(effort)とは

effortは、努力と訳されることが多く、何かを成し遂げるための精神的もしくは肉体的なエネルギーのことです。

筋トレにおいてのエフォートは、動作を行うために必要な精神的かつ肉体的エネルギーの量を指します。

簡単に言えば、エフォートはウエイトを上下させる動作にどれくらいの努力が必要かということです。

例えば、高いエフォートが必要な状態とは、ウエイトを上げるがかなりしんどい状態であり、大したエフォートが必要ない状態というのは、軽々ウエイトが上げ下げできる状態ということを意味します。

(まだ現在日本の筋トレ業界においてeffortという概念はあまり一般的ではなく、良い訳が出回っていないので、本記事ではeffort=エフォートと表現します)

筋肥大のための2つの必要条件

ここで基礎知識のおさらいです。

筋肥大のためには2つの必要条件があります。この2つのうちどちらかが欠けても筋肥大は起こりません。

その2つの必要条件とは、

• 高閾値モーターユニットに支配される筋繊維の活性化

• 筋繊維に機械的負荷がかかること

です。

高閾値モーターユニットに支配される筋繊維の活性化

筋肉は多数の筋繊維からできています。

それらの筋繊維は、1つの神経によって支配される複数の筋繊維によってモーターユニット(運動単位)というグループを構成しています。

各モーターユニットは、サイズの原理の通り、発揮すべき力の大きさによって、低閾値の小さいモーターユニットから、高閾値の大きなモーターユニットの順に活性化されていきます。

低閾値のモーターユニットに支配される少数の筋繊維は、機械的負荷を受けた後でもあまり肥大しません。例えば、普段歩いたり姿勢を保持しているだけでも低閾値のモーターユニットによって支配されている筋繊維には強い力がかかっています。しかし、日常生活動作では筋肉は肥大しません。

一方、高閾値のモーターユニットに支配される多数の筋繊維は、機械的負荷を受けると肥大を起こします。

このように、高閾値のモーターユニットによって支配されている筋繊維こそが肥大のポテンシャルを秘めており、それらの筋繊維が活性化して収縮することは筋肉の肥大には欠かせないのです。

機械的負荷

しかし、高閾値のモーターユニットによって支配される筋繊維が活性化するだけでは筋肉は肥大しません。

例えば、ジャンプのような高速で行う動作を考えてみましょう。

高速で動くためには全力を出して動作することが必要となります。

全力で動く場合、ほぼ全てのモーターユニットが活性化されます。

しかし、動作を速くするためには高度な加速度が必要となります。それはつまり強い力を発揮しているのは短時間のみであるということです。短時間の力の発揮では、力–速度関係から、個々の筋繊維にかかる力は小さいものになります(アクチン–ミオシン架橋が高速動作では十分形成されない)。

個々の筋繊維かかる力が一定の閾値を超えなければ、筋肥大に必要な機械的負荷が、その受容体によって感知されず、筋肥大を促すその後の反応が起こりません。

結果、高速での動作では、高閾値モーターユニットが活性化されるにも関わらず筋肥大は起こらないのです。

では、あえてゆっくり動作すればどうでしょうか。

このような低速動作では、個々の活性化した筋繊維にかかる力は十分大きいため、機械的負荷は十分足ります。しかし、全力での動作ではないため、高閾値のモーターユニットが活性化されません。

筋肉の肥大を促すような動作とは

上記のように、「筋肉の肥大を促すためには、高閾値モーターユニットが活性化し、それに支配される筋繊維に機械的負荷がかかることが必要である」ことが分かりました。

これは、より分かりやすく直感的に言うと「精一杯全力で動作するものの、ゆっくりとしか動作できない状態」ということになります。歯を食いしばりながら何とかウエイトを動かすような状態です。

これが正に十分なエフォートを発揮している状態なのです。

より具体的にはこのような十分なエフォートを発揮している状態は、限界前の最終5レップであると言われています。これは「刺激レップ(stimulating reps)」や「有効レップ(effective reps)」などと呼ばれている、筋肥大のトリガーとなる動作なのです。

限界まで動作した場合、筋肉の肥大は5〜30RMと幅広い重量で(=つまり実質はほぼ重量に関係なく)同様に起こることや、限界まで動作する場合、負荷に関わらず、動作スピードは限界前の約5レップでは同等に遅くなっていくことなどから、現在はこのような考察がなされています。

十分なエフォートを発揮するための具体的方法

主に2つあります。

どちらもそれなりにしんどく、文字通り「努力」を必要とする方法です。

十分疲労するまで動作を続ける

1つは、上記のように中等度〜軽度の負荷を用いて、限界近くまで動作する方法です。

この場合は、末梢性疲労によって、徐々に低閾値モーターユニットに支配される筋繊維が収縮できなくなり、それを補うために高閾値モーターユニットによって支配される筋繊維が動員されます。

中等度〜軽度の負荷で高閾値モーターユニットが動員されるためには、限界手前の5レップの領域以上まで動作を反復すれば良いのです。

ただし、あまりに軽い負荷を用いると、末梢性疲労に加えて中枢性疲労が強くなりやすく、高閾値モーターユニットが十分動員できなくなるので注意が必要です。

高負荷を用いる

2つめは十分に重い負荷を用いることです。5RM以上の負荷であれば最初から高閾値モーターユニットが活性化されます。また、1レップ目から動作速度は十分遅くなるため、筋肥大に必要な条件は2つとも満たされています。ただし、5RM以上の高負荷を用いる場合は、1セットでこなせる刺激レップのボリュームが少なくなったり、怪我のリスクが高くなることなどから、純粋に筋肥大という面から見ると効率は悪くなります。

また、関与する筋肉が少ない種目の場合は、負荷が大きすぎると、疲労によって発揮できる力が急速に低下するため、たくさんの刺激レップを行う前につぶれてしまいます。

まとめ

筋肉を肥大させるためには、「高閾値モーターユニットが活性化し、それに支配される筋繊維に機械的負荷がかかることが必要である」ことが必要。

つまりは十分なエフォートを発揮するまで1セット毎に動作を続けることが必要。

十分なエフォートを発揮するためには、限界付近まで疲労するまで動作を続けるか、5RM以上の高負荷を用いるという方法がある。

時間や疲労など、効率の面からみると6〜12RMの負荷を用いて限界付近まで動作をするのが最も良い。

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