オールアウトを避けることが筋肥大の効率化につながる

スポンサーリンク

 images.png

近年では、動作不能となるまで反復しないトレーニングの方が優れた結果が出るとされています。その原因として、優れた疲労管理があげられました。

動作不能となるまで行うトレーニングは、毎回のワークアウトが非常に高い強度負荷となるため、適切な回復能力および適応能力に悪影響を与えている可能性があるということです。

このような背景のもと、ある 研究 が実施されました。

スポンサーリンク

試験の概要

この研究は、最大反復(RM ; repetition maximum)群と、相対強度(RI ; relative intensity)群の2群で、筋力トレーニング対する反応を比較する試験です。

被験者(年齢= 26.94±3.95歳、体重= 86.21±12.07kg、BMI = 27.07±3.08)はトレーニング歴が豊富で、少なくとも週に3回のトレーニングを7.7±4.2年続けていました。

また、トレーニング歴に加えて、筋力が規定値以上であることを確認されました。

両群は、10週間、週に3回(月水金)筋力トレーニングを行い、さらに週に2回(火木)スプリントトレーニングが実施されました。

RM群は反復不能となるまで動作を行い、RI群は反復不能には至る前に動作を終了しました。

トレーニング量が均等になるように、RI群の強度は調整されました。

筋肉の生検や超音波を用いて、各筋繊維(I型、II型)に特有の断面積(CSA)、筋肉の厚さ(MT)などのトレーニング前後や群間での違いが調べられました。

結果ですが、下図のようになりました。

sports-07-00169-g003-550.jpg

上図は介入前後のI型(A)およびII型(B)の断面積(CSA)の変化です。

RI群では両者とも有意な増加(*)を示したのに対して、RM群では有意な増加は見られませんでした。

sports-07-00169-g004-550.jpg

上図は解剖学的断面積(A)および筋肉の厚さ(B)の変化です。

RI群は筋繊維の断面積(CSA)も筋肉の厚さ(MT)も有意に(*)増加したのに対して、RM群は、CSAは有意な増加はなく、MTだけが有意に増加しました。

これらの結果から、著者らは、RT群よりもRI群の方がより大きな筋繊維の厚さや筋肉の厚さの適応をもたらしたと結論しています。

まとめ

この報告は、トレーニングボリュームが等しいにも関わらず、RI群の方がRM群よりも優れた筋繊維の増加をもたらしたことを示しています。(ちなみにRM群で筋繊維の断面積が増えずに筋肉の厚さが増えたのは、浮腫などの間質の増加が原因と思われます)

この差が生まれた要因として、疲労管理が優れていたことが挙げられます。

これまでのオールアウトの影響を調べた報告は、ボリュームの差異が結果に影響している可能性がありましたが、この報告ではボリュームを揃えてもRI群が大きな筋量の増加をもたらすことが示されました(ちなみに分子レベルでも、筋肥大のトリガーとして重要な「mTOR」の変化は、RM群と比較してRI群でより好ましい結果でした)。

そもそも、オールアウトの理論的な利点は、完全な疲労に至る過程で、全ての筋繊維が動員されて刺激を受けるということでした。しかし、この報告により、その利点を上回る疲労管理の重要性が示唆されました。

他にも疲労管理の重要性を支持する報告があります。ここでは、ベンチプレスやバックスクワットを失敗まで行うと、運動後最大24〜48時間で神経筋機能や代謝やホルモンの恒常性の回復が遅れると報告されています。

結論としては、RI群で用いたように、heavy day / light dayを用いて負荷を調整したり、バックオフセット を利用したりして適切な疲労管理を行うことで、経験豊富なトレーニーは恩恵を得る可能性が高そうです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました