フロントスクワットとバックスクワットの違いについて

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フロントスクワットは他のスクワットのバリエーションとは大きく異なっています。

その違いは根本的にはフロントスクワットとバックスクワットのバーの位置によって生じます。

今回はフロントスクワットとバックスクワットの違いを力学的な観点から考えてみたいと思います。

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フロントスクワットとは

フロントスクワットは簡単に言うとバーを体の前で担いで行うスクワットです。

フロントスクワット

バックスクワットとフロントスクワットの最も大きな違いはバーを担ぐ位置です。そしてこれが2つのスクワットの大きな力学的な違いを生みます。

全てのスクワットはバーが足の中間部の真上にくる

バックスクワット,フロントスクワット力学的に安定した姿勢をとるために、重心であるバーベルは、足の中間部の垂直線上にあることが必要です。これによって安定してバランスが保たれるのですが、この原則はバックスクワットであろうとフロントスクワットであろうと例外はありません。

トップポジション、しゃがむ動作中、ボトムポジション、立ち上がる動作中と、全ての局面において足の中間部の真上にバーがあることが重要です。

この原則がバックスクワットとフロントスクワットの間で各関節の角度の違いを生み、筋肉の働きの違いが生まれます。

とくに体幹の角度、臀部の関与、膝の関与、動作のポイントが大きく異なってきます。

フロントスクワットのバックスクワットとの違い

体幹が直立に近い

バックスクワット(ここではローバースクワット)では体幹が30~50度ほど前傾した姿勢になります。

フロントスクワットでは、体幹はほぼ垂直に近い姿勢になります。

ヒップドライブの関与が乏しい

バックスクワット(とくにローバースクワット)ではヒップドライブ(臀筋、ハムストリングス、下背部などの筋群によってもたらされる動力)が強力に働きます。殿筋、ハムストリングス、内転筋群が収縮することで臀部が上に上がっていくというわけです。このヒップドライブはバーの位置が十分低く、体幹が前傾することで、臀部周囲の筋肉が伸展されることで発動します。

フロントスクワットでは臀部の関与は少なく、ヒップドライブはあまり作用しません。バックスクワットのように体を前傾させて、臀部を後方に突き出す姿勢はとらず、臀部はバーのほぼ真下に位置するため、ヒップドライブをもたらす筋群が十分ストレッチされないためです。

臀筋の関与が大きい

上記のようにバックスクワットでは股関節を伸ばすのには臀筋だけでなく、ハムストリングスや下背部の筋肉や内転筋群などのヒップドライブが有効に使えますが、フロントスクワットではこれらの筋群の助けが乏しくなります。

フロントスクワットでは股関節の伸展はほとんどが殿筋の作用によって行わなければなりません

上背部の負担が増し、下背部への負担が減る

バックスクワット,フロントスクワット

「下背部とバー」「上背部とバー」の2つの距離に注目。

支点からの距離が長い(モーメントアームが長い)ほど負荷が大きい

バックスクワットでは、バーと下背部の距離が遠くなり、体幹はより前傾するため、下背部へのモーメントが増し、下背部への負担は大きくなります

フロントスクワットでは、バーが前方へ逃げないように保っている上背部への負荷が大きくなります

ハイバーでもローバーでも、バックスクワットではバーは上背部の真上に乗っていますが、フロントスクワットでは、バーを支持する上背部の筋肉とバーとの間には胸の厚みが介在しています。そして、この距離がモーメントアームとなり、バーを支持する上背部の筋肉にはバックスクワットより大きな負荷がかかります。

一方で、下背部とバーとの距離はバックスクワットの時ほど長くないので、下背部への負荷は弱くなります。

フロントスクワットの方が下背部への負担が少ないと感じると思いますが、これはフロントスクワットがバックスクワットほど下背部への刺激が少ないということも意味します。

膝の負担が大きい

フロントスクワットをする際に下背部への負担はあまり心配しなくても構いませんが、膝への負担は心配しなければなりません。

バックスクワット,フロントスクワット

直立姿勢を保つために、フロントスクワットではしゃがむ動作の早期から膝関節が前方へ移動します。

これによりフロントスクワットのボトムポジションでは、股関節がバーのほぼ真下に位置し、下腿部がより水平に近くなり、膝関節が大きく屈曲し、足関節が大きく背屈します。(そのため下腿部の骨やアキレス腱にもバックスクワットより大きな負荷がかかります)

バックスクワットより膝とバーとのモーメントアームが長いこと、バックスクワットの時より深く屈曲した状態から膝関節を伸展させなければならないこと、ヒップドライブの関与が乏しいことなど、いくつかの理由が重なるため、フロントスクワットでは膝に非常に大きな負荷がかかります

大腿四頭筋への負担が大きい

上記のように膝関節の伸展はバックスクワットの時よりかなり負担が増すので、フロントスクワットでは膝関節の伸展を担う大腿四頭筋への負荷は大きくなります

扱える重量は下がる

このように、膝を伸ばすのが困難になることに加えて、股関節を伸ばすためのヒップドライブの作用も乏しくなるので、通常フロントスクワットではバックスクワットほどの重量は扱えません。

効果の違い

バックスクワットに比べて大腿四頭筋への負担が増すということはそれだけ大腿四頭筋への刺激が大きいということです。

一方でヒップドライブの関与は減るので、下背部やハムストリングスへの刺激は弱まります

扱える重量自体はバックスクワットより下がるので、どちらの方が大腿四頭筋の発達に有効かという問題については話は単純ではありませんが、大腿四頭筋の強化種目として、バックスクワットとは違った刺激を脚に与えたい場合に有効な種目といえるでしょう。

動作のポイントの違い

バックスクワットでは「おしりを持ち上げる」という意識が大切です。これを意識することによりヒップドライブがうまく使えるようになります。

バックスクワットで立ち上がる際には胸部は背中の緊張を保つ程度の役目をしているに過ぎません。

フロントスクワットでは胸部と肩と肘がポイントとなります。臀部を持ち上げるというイメージとは異なります。

フロントスクワットで動作を失敗するのは、立ち上がることができないか、体幹を垂直に保てずバーが前方に流れてしまうかのどちらかです。つまり体幹を終始直立させるのがポイントです。

動作中は胸、肩、肘を高い位置に保つよう意識することで、体幹が直立した姿勢を保つことができるようになります。これは重い重量でフロントスクワットをする時にとくに重要になってきます。

臀部を上げるか、胸を上げるかの違いは大きく、両者を混同してはいけませんが、しばしば初心者では混同されます。そのため、バックスクワットに習熟していないうちにフロントスクワットを始めるのはあまり良くありません。

まとめ

フロントスクワットは下背部への負担が少ない代わりに、上背部への負担が大きく、膝への負担が大きい種目です。そして、その効果として、臀部や下背部への刺激が減るかわりに脚への刺激は大きくなります。

フロントスクワットはスクワットのバリエーションの1つですが、バックスクワットとは全く異なる種目です。その動作の習熟を目指すにあたって、2つの種目の違いをしっかり理解しておきましょう。

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