動画で学ぶパワークリーンの習得方法解説

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クリーンはオリンピックのウエイトリフティング競技でのクリーン&ジャークでなじみのある種目ですが、一般のトレーニーにとっても非常に有用な種目です。

とくにパワーの強化や全身の運動の協調に有効であり、ジャンプ力向上をはじめとしてスポーツの競技力向上にもとても役立つためぜひとも習得したい種目です。

しかしその一方でフォームの習得が難しいという難点があり、トレーニングに取り入れるのが難しい一因となっています。

今回はYoutubeの解説動画を参考にしながらクリーンを習得していただけたらと思います。

たびたび当ブログでも紹介させていただいているAlanさんのパワークリーンの解説動画です。

動きの解説などがYoutubeの動画の中ではピカイチでわかりやすいのでぜひ一度ご覧ください。

英語なので適宜記事内容と合わせて観ていただければと思います。(各パート毎のタイムラインを掲載しています)

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クリーンの種類について

(0:50~)まずは用語の定義の確認。

スタートポジションと、バーベルをキャッチする高さによって以下のように分けられます。

  • クリーン:バーベルを床から引き上げ、フロントスクワットのボトムポジションでキャッチする。
  • パワークリーン:バーベルを床から引き上げ、クォータースクワットのポジションでキャッチする。
  • ハングクリーン:バーベルを膝の辺りから引き上げ、フロントスクワットのボトムポジションでキャッチする。ハングクリーンの3つのバリエーションとして、バーベルを引き上げる位置の違いで、ロウハングクリーン(Low:膝辺りから)、ミッドハングクリーン(Mid:太ももの中間辺りから)、ハイハングクリーン(High:足の付け根から)がある。
  • ハングパワークリーン:バーベルを膝の辺りから引き上げ、クォータースクワットのポジションでキャッチする。

パワークリーンの習得方法

(2:04~)

足と手の位置について

(2:08~)体格によって若干の個人差はありますが、一般的には以下の通りです。

足幅は垂直飛びをする時を目安にちょうど股関節の幅くらいに開き、少しだけつま先を外側へ向けます。クリーン足幅

手の幅はちょうど体の側面に沿う程度に開きます。クリーン手幅

ラックポジションについて

(2:25~)ラックポジションをしっかり習得することがクリーンを習得する上で最も重要です。

バーベルは三角筋前部と前頸部との間でキャッチします。

バーベルは両手、両肩、首の5点で支えます。image

この5点でバーベルを支持する姿勢を取るために、肘をしっかり高く上げて前へ向けることが重要です。肘が下がってしまうとバーベルは支えを失い前方へ転がり落ちてしまいます。

バーベルを手で握ってウエイトを支えるのではありません。手は握らずに開いておき、指でバーベルが前に転がり落ちないようにバランスをとります。image

きれいなラックポジションの姿勢をとるためには手首と上背部の柔軟性が必要です。

繰り返しになりますが、ラックポジションの習得がクリーンの習得の第一歩です。

きれいなラックポジションを取ってバーベルをキャッチするためには、どのようにしてバーベルをそのポジションまで移動させるかを習得する必要があります。これは以下の3つの段階に分けて習得していきます。

段階1

(3:34~)この段階1が最も重要です。この段階1をマスターしなければクリーンは習得できません。

ラックポジションからバーベルを下ろし、足の付け根の高さで保持します。

もし腕が非常に長い人の場合は、肘を少し曲げるか手幅を広くして高さを調整します。(ちなみに少し肘を曲げて股関節の高さから行うクリーンをヒップクリーンと呼びます)

バーベルを足の付け根で保持したら、息を吸って肩甲骨を後方へ寄せて胸を張り、顔を前へ向けます。

そこから軽く膝を曲げます。image股関節を曲げて前方へ体を倒すのではありません。段階1では角度を変えるのは膝だけです。股関節ではありません。image

膝を曲げた姿勢をとったら、そこから一気にジャンプするように頭を上方(上方かつ後方)へ引き上げます。

この動きは足首と膝と股関節の3つの関節を一気に伸展させることによって得られます。この3つの関節の伸展動作はトリプルエクステンション(日本語でいうと三重伸展?)と呼ばれます。

各関節を爆発的に最大限伸展させることによりバーの挙上速度が上がっていきます。image最大限まで各関節を伸展させた瞬間にバーの下に自分の体を引っ張り込みます。

imageバーを巻き上げるのではありません。imageバーの高さは変えずに自分の体の方をバーの下へ引き下げるのです。

Pull yourself under the barbell!!

ここは多くの人が間違えるポイントです。

バーベルを引き上げるために一気に伸びあがったら、今度はバーベルの下に潜り込むために一気にしゃがむ動作に変わらなければいけません。

バーベルを巻き上げる癖を治すのは簡単ではありません。理想的な動きを意識しつつひたすら練習あるのみです。

クリーンの習得が困難な理由のひとつとして、動作をゆっくり行えないことが挙げられます。デッドリフトなどはゆっくりとした動きでフォームを矯正しながら動作してもらうことができますが、クリーンではこの方法が使えません。クリーンには爆発力や瞬発力や反応力が欠かせません。

クリーンの習得にはこの段階1の訓練、つまり「ジャンプ&キャッチ」の訓練が有効です。

段階1のおさらい

(5:47~)バーベルを足の付け根の高さで持ち、膝だけを曲げて体を沈ませ、ジャンプして体を最大限伸展させたら、バーベルの下に体を潜り込ませてラックポジションをとります。

段階1のその他のコツ

(6:04~)Alanさんはラックポジションで肘を前方へ向けるのに合わせて着地している。

段階2

(6:12~)この段階2は段階1の次のステップです。

段階1では膝を曲げる姿勢をとりましたが、段階2ではさらにお尻を後方へ引き、体を前傾させながら、バーベルを大腿に沿わせつつさらに低い位置まで下ろしていきます。

段階2では股関節を屈曲させていきます。ただし膝の角度は段階1と同じままです。image

バーベルが膝の高さまで来たらそこで停止します。

肩がほんのちょっとだけバーベルより前方にあって、顔と視線が前方を向いているのが正しい姿勢です。image

その姿勢をとったら、そこまでの動作を逆に戻していきます。

股関節を伸展させて、バーベルを大腿に沿わせて足の付け根の高さまで上げていきます。

股関節は伸展させますが、膝は曲げたままです。

これで股関節が伸びて膝が曲がった姿勢、すなわち段階1の正しいスタートポジションに戻ります。image

そこまで来たらジャンプ&キャッチを行います。(段階1と同じ)

段階1は膝関節が動作の主体でしたが、この段階2では股関節が主体となります。imageこの段階1と段階2の動作を組み合わせて繰り返すことで、一連の動作が滞りなくできるようになると思います。

段階3

(7:15~)段階3は最後の段階です。

段階1は膝関節、段階2は股関節でしたが、段階3は膝関節が動作の主体です。imageバーベルが膝蓋骨の下端辺りまで来たら、膝を深く曲げていき、バーベルを床まで下ろします。imageこれでクリーンの完全なスタートポジションがとれます。

肩がバーベルの真上に位置し、背面がまっすぐになり、胸部と顔面と視線が前方を向いた姿勢です。imageクリーンのスタートポジションとデッドリフトのスタートポジションは異なるということを肝に銘じておいてください。image

デッドリフト

(クリーンと比較してデッドリフトのスタートポジションの方が、両肩がバーベルより前に出ており、腰の位置が高く、体幹がより前傾した姿勢になります)

(7:54~)段階1から段階3までを一連の動作として行うにあたって、3つの合言葉を覚えておきましょう。「段階1は膝、段階2は股関節、段階3は膝」です。

Knees!Hips!Knees!

バーベルを床に置いた姿勢(スタートポジション)をとったら、そこまでの動作を戻っていきます。つまり膝関節を伸ばして、バーベルを膝蓋骨下端まで引き上げていきます。

膝を後ろに引きながらスネに向けてバーベルを引き上げます。

膝を後方へ引き上げつつも胸は前方を向いたままです。image胸が下向きにならないように注意しましょう。imageバーベルが膝蓋骨の下端辺りまで来たら、段階2の正しいスタートポジションまで戻っています。imageそこからは段階2と同じく、大腿を沿わせてバーベルを足の付け根まで引き上げて、ジャンプ&キャッチを行います。

パワークリーンの要点のおさらい

(8:38~)バーベルを下ろす動作では、膝を曲げ、股関節を曲げ、膝を曲げてバーベルを床まで下ろします。

床から引き上げる時は、膝を伸ばし、股関節を伸ばし、膝を伸ばします。

床から膝の高さまで引き上げる段階をイニシャルプル(ファーストプル)、膝の高さからバーベルを引き上げて、ラックポジションをとるまでをセカンドプルと呼びます。imageimage

パワークリーン習得からクリーン習得への移行

(9:07~)パワークリーンが難なくできるようになったら、クリーンの習得へ移行します。

そのために、バーベルをキャッチした直後にフロントスクワットを行うという練習を行います。

バーベルをキャッチしたところからフロントスクワットを繰り返すことで、一連の動作をスムーズに行えるようになります。

もしフロントスクワットがうまくできないようなら、フロントスクワットを個別に練習しましょう。フロントスクワットの技術が未熟にもかかわらず高重量のクリーンに挑戦しようとすると容易に怪我をします。

よくある失敗とその原因

(9:35~)クリーンのよくある失敗とその原因についての解説です。

バーベルを前方へ落としてしまう

(9:41~)imageこれにはいくつかの原因が考えられます。

  1. 重心がつま先にかかっている。この場合、多くのケースでスタートポジションにおいて腰の位置が高く、両肩がバーベルより前に出すぎています。image
  2. 視線が前方ではなく下方を向いている。下を向いているとバーベルを前に落としやすくなります。image
  3. 腰が上がるのが速すぎて、胸が下を向いてしまっている。image
  4. 肩や胸椎の柔軟性が乏しくて正しいラックポジションが取れない。image
  5. 重量が重すぎて、引き上げる際に背面が真っすぐの状態を保てない。image
  6. 自信が足りずにトラブルをおそれて、十分にバーベルの下に潜り込めていない。
  7. セカンドプルのタイミングが早すぎる。足の付け根までバーベルを引き上げる前にトリプルエクステンションを行おうとすると、バーベルが前方へ移動する力が働き、体が前傾したり、自身の体が前方へ流れてしまう。image

後方へバランスを崩してしまう

(10:55~)これもいくつかの原因があります。image

  1. バーの軌道が前方へずれている。バーの軌道が前方へずれると、キャッチの時にバーが顔の方へ戻ってくるため、後方へバランスを崩す原因となる。imageimage
  2. バーを巻き上げている。バーベルカールのようにセカンドプルでバーを巻き上げようとすると、キャッチの時にバーが後方へ移動する力が働くため、後方へバランスを崩してしまう。image
  3. キャッチの際に膝が伸びきっている。膝が伸びきって直立した姿勢ではなく、キャッチの時は膝を曲げる姿勢をとる。imageimage

ボトムポジションで動けなくなってしまう

(11:32~)imageバーベルをキャッチした姿勢からなかなか立ち上がることができない場合、多くはフロントスクワットの力が足りていないのが原因です。

クリーンの時と同じような状況でのフロントスクワットを練習しましょう。image

素早くお尻が地面に付くくらいまで深くしゃがみ込み、弾むようにスピードをつけて立ち上がります。

理想的なクリーンのフォーム

超一流のクリーンの動作をスローモーションで確認してみましょう。

体から全く離れることなく挙上されていくバーベル、一切の無駄な動きなくバーベルの下へ潜り込む動き、まったくぶれないキャッチ…どれをとっても美しいですね。

まとめ

クリーンは動画をみながらでなければイメージが難しい種目だと思います。今回の記事を読みつつ冒頭の動画を何度もみて練習し、クリーンの習得を目指してください。

また、特別なコーチがいる場合を除いて、怪我を避けるためにも、とにかく最初はバーベルバーのみでの練習を地道に繰り返し行い、そこから少しずつ少しずつ重量を増やしていくように心がけてください。

また、クリーンとデッドリフトは相互に能力を高めあう効果もあります。動画で触れられているとおりフロントスクワットももちろん練習が必要ですが、デッドリフトの方も十分練習しておきましょう。

今回の動画作成のベースとなったと思われる動画もよければ参考にしてください。

クリーンの解説動画1

クリーンの解説動画2

クリーンの解説動画3

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コメント

  1. 大西英樹 より:

    分かりやすい解説でとても参考になりました。
    今まで見よう見まねでやっていたのですが、やはり間違いだらけでした。
    おかげさまで正しい知識が得られたので、本当に良かったです。

    • Yasu より:

      お役に立てて嬉しいです。
      この動画は英語ですが、本当にわかりやすいので何度も観て下さい。あとは実際に練習あるのみですね!
      お互い今後もトレーニング頑張りましょう!

  2. 塚本峻弥 より:

    質問させてください。
    セカンドプル時にデッドリフトと同じようにお尻を突き出すように股関節を伸展させていくとバーが足の付根付近に来たときには膝も伸展してしまっています。
    膝の屈曲を残しておくためには僕のような挙げ方ではなくて膝をロックしてお尻ではなく背筋を意識して上半身を立てるようにしたほうがいいのでしょうか?

    • Yasu より:

      コメントありがとうございます。
      実際にフォームを見たわけではないので的を得たアドバイスになっていないかもしれませんが…
      膝が伸びきるのと股関節が伸びきるのがほぼ同時なら間違いではないかと思います。
      ただ、膝が伸びきっているにもかかわらず、上体が前傾しているようなら股関節の伸展に比べて膝の伸展が早すぎると言えると思います。
      一度確認してみてください。