体脂肪率の推定法の比較・まとめ

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正確な体脂肪率を知ることは不可能

体脂肪率を推定することは、トレーニングの進捗を確認するために重要視される要素のひとつです。

ただし、現実的には正確な体脂肪率を測定することは不可能です。なぜならば現時点では正確な体脂肪率を知るためには剖検が必要だからです。

そこで各種の体脂肪率を「推定」する方法が開発されています。

推定値であるため、各方法は必ずある一定の不正確さを含んでいます。

また、各方法にはそれぞれ固有のメリットとデメリットがあります。

体脂肪率の推定にあたっては、誤差の小ささや煩雑さやコストなど、様々な点を比較し、その特徴を理解しておくことが重要です。

今回は代表的な推定法として、皮膚厚測定、生体電気インピーダンス分析(BIA)、デュアルエネルギーX線吸収法(DXA)、US NAVY 式をご紹介します。

皮膚厚測定

キャリパーを使用して特定の部位の皮下組織の厚みを測定し、それを公式に代入して体脂肪率を推定する方法です。

この方法は、キャリパーを購入することと、皮膚厚を測ってくれるパートナーが必要です。

皮膚厚を測定するのは、上図のような7点です。

即ち、胸部(腋窩と乳頭の間)、中腋窩線(乳頭直下レベル)、臍の横、大腿中間部、上腕中間部、肩甲骨下端部の7点で測定します。

3点の場合は胸部と臍横と大腿部で評価します。

3点測定と7点測定では推定地に大差ないことが示唆されています。

男性であれば下記の方程式にて推定体脂肪率が算出されます。

ただ、煩雑な計算なので、インターネット上の計算してくれるサイトを利用するのが良いと思います。

Body Density =

1.112 – (0.00043499 * SUM7) + (0.00000055 * SUM7²) – (0.00028826 * Age)

Body Fat % =

[(4.95/Bone Density) – 4.5] 100

参考;How To Take Accurate Skinfold Measurements

さて、実際のところ、方程式はいくつかの種類があります。研究の結果は、DXAなどのより正確な体組成評価法と比較した場合、方程式間で推定値が異なり一貫していません。

年齢、スポーツ、人種、性別など色々な要素により上記の結果のばらつきが出るものと思われます。

結局は推定値に過ぎない以上、色々な方程式をあれこれ使うのではなく、どれか1つの方程式を継続的に利用して変化をみるのが重要だと言えます。

皮膚厚測定は熟練した技術で測定された場合、一般に信頼性が高く、誤差3%以内と言われます。ただ、測定技術が未熟なほど誤差も大きくなります。

長所

• 安い

• 安全

• 最低限の器具で足りる

• 先進的技術は不要

• 部位毎の経過観察ができる

• 習熟すれば精度が高い

短所

• 測定技術の習熟が必要

• 皮下脂肪しか考慮されない

• 方程式は特定の集団でしか有効ではなく、普遍性に乏しい

• 測定者の前で裸になるのが恥ずかしい可能性がある

Body Composition in Sport: Skinfolds Assessment

生体電気インピーダンス分析(BIA)

一般的に商品化されている体組成計はBIAを用いています。

これは電気抵抗を測定することで体脂肪率を推定するというものです。

BIAが体組成を推定する際に行う3つの重要な前提条件があります。

• 身体は電線のような単一な形状の物体である

• 電流はその単一な形状の物体に満遍なく均一に広がる

• 体には72.3%の水が含まれる

このような前提条件の元での推定値になるため、正確さにかけることは容易に推測されます。一般的な方法の中では最も誤差が大きく、3〜11%くらいと見積もられています。とくに水分の影響は無視できないものであり、汗を少しかいただけでも結果が大きく変わるのは大きな痛手です。

BIAでは、電極に挟まれる部位によって、手から手、手から足、足から足、手から足などの部分が電流の流れる測定部位となり、その他の部位は完全に推測のみとなります。

多くのBIA方程式が調査されていますが、特に運動選手やトレーニーでは精度がとくに落ちる可能性が示唆されています。

BIAは体脂肪率を過小評価する傾向があり、より正確な方法と比較して、値が低くなりやすいと言われます。

また、体脂肪率が高い人ほど精度の誤差が大きくなる傾向があることに注意が必要です。

このように、BIAは安価で迅速に実行できますが、精度は低く、その結果の解釈には十分注意が必要です。

とくに水分量による誤差は無視できないものであり、起床直後などなるべく一定の条件の下で測定するような努力が必要です。

長所

• 安い

• 早い

• 安全

• 簡単

• 体内の水分量が分かる

短所

誤差が大きい

• 性別、年齢、身長など多数の要素によって結果が影響される

• とくに水分量による誤差が大きい

• 痩せた人やアスリートでは体脂肪率が実際より低くなる傾向がある

Body Composition in Sport: BIA

デュアルエネルギーX線吸収法(DXA)

デュアルエネルギーX線吸収法(DXA)は、現在最も正確な測定法とされています。

しかし、高価であり、使用するたびに少量の放射線を浴び、技術者が操作する必要があり、携帯できる装置ではありません。

主に研究用といった方法で、一般人が頻繁に使用する方法ではありませんが、参考までに知っておいてください。

Body Composition in Sport: DXA

US NAVY 式

ここまでの結果から、一般的な体組成計は誤差が大きく、皮膚厚測定は精度は割と高いもののやや煩雑であることが分かりました。

DXAは精度は高いものの、一般的に利用できる方法ではありません。

Body Composition in Sport: An Evidence-based Review of Common Assessment Methods

そこでUS NAVY式というものをご紹介します。

これは、身長、首周囲径、腹囲(、女性はさらに臀部の径)を用いて体脂肪率を推定するという方法です。

巻尺があれば一人でも短時間で実施でき、誤差も3%以内と精度も高い方法と言われています。

首の径は、姿勢を正した状態で、僧帽筋によって首が太くなる直前の部分で測定します。

腹囲はお臍の高さでリラックスした状態で測定します。女性であればお臍の2~3cm上で最も細くなる箇所で測定します。

臀部(女性のみ)はお尻も膨らみの最も大きいところで測定します。

方程式は下記のような複雑な式なので、インターネット上の計算機を利用しましょう。

• Men: Body-fat % = 86.010 x log10(abdomen – neck) – 70.041 x log10(height) + 36.76

• Women: Body-fat % = 163.205 x log10(waist + hip – neck) – 97.684 x log10(height) – 78.387

US NAVY式は安価で簡便で誤差の小さい方法とされますが、短所もあります。

それは、あまりに標準体型から外れた人では誤差がおおきくなるということです。

体脂肪率が6%未満であったり、30%を超えるようであれば誤差が無視できない可能性があります。

A QUICK GUIDE TO ESTIMATING BODY-FAT PERCENTAGE

まとめ

体脂肪率の正確な数値を知ることはできず、どの方法でも推定値に過ぎないことをまず理解しておく必要がある。

皮膚厚測定は安価で比較的簡便だが、技術的に習熟する必要がある。

BIAは簡便な方法だが、水分量をはじめとした多数の要素で結果が影響されるため、誤差が大きい。

DXAは現時点では最も正確とされているが、一般人が容易に利用することはできない。

US NAVY式は安価で簡便であり精度も高いが、あまりに体脂肪が多かったり少なかったりすると誤差が大きくなる。

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