MRVの見つけ方をさらに詳しく解説

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前回の記事のキーワードである4つの指標(MV、MEV、MAV、MRV)のうち、MRVについて、今回はさらに詳しく解説していきます。

MRVとは

MRVはmaximal recoverable volume(最大回復可能量)の略です。

MRVとは文字通り、回復することができる最大のトレーニングボリュームです。

筋力トレーニングなどのストレッサーからの回復は、下図のようなモデル(general adaptive syndrome)で理解されています。

MRVでのトレーニングを行うと、元の体力レベルまでちょうど回復しますが、MRVを超えると、元の体力レベル以下までしか回復が起こりません。これは実践的には、パフォーマンスの低下として知ることになります。つまり、自身が挙上できるはずの重量が上がらなくなる、という状態です。

あるマイクロサイクルでパフォーマンスの低下がみられた場合、直前のマイクロサイクルのボリュームがMRVです。

筋肥大が目的の場合のMRVの見つけ方詳説

まずはおおよそのMRVの推定を行う

例を挙げて説明していきます。

ここではメゾサイクルを5つのマイクロサイクルで構成することにします。

トレーニーの体力レベルは、100kgのベンチプレスを10レップ×4セットが最大であるとします。

第1メゾサイクル

マイクロサイクル1 95kg 3セット(10、10、10)

マイクロサイクル2 97.5kg 4セット(10、10、10、10)

マイクロサイクル3 100kg 5セット(10、10、10、10、9)

マイクロサイクル4 102.5kg 6セット(10、10、10、9、8、8)

マイクロサイクル5 105kg 7セット(10、10、9、9、8、8、7)

(この後にいったんデロード期間を挿入します)

さて、第1メゾサイクルでMRVに達したでしょうか?

MRVに達した後は、パフォーマンスの低下がみられるはずです。

確かに、マイクロサイクル4や5では反復回数の低下がみられます。

しかし、これは疲労によるものではなく、単純に強度が上がったことに起因しています。そのため、6セット以下ではMRVには達していないと判断します(7セットでの反応は不明)。

さらにMRVを追求するべく、第2メゾサイクルに入ります。

第1メゾサイクルではMRVに達しなかったので、次はさらに少しだけ強度とボリュームを増やしていきます。

第2メゾサイクル

マイクロサイクル1 97.5kg 5セット(10、10、10、10、10)

マイクロサイクル2 100kg 6セット(10、10、10、10、9、9)

マイクロサイクル3 102.5kg 7セット(10、10、10、9、9、8、8)

マイクロサイクル4 105kg 8セット(8、7、7、6、6、5、5、4)

マイクロサイクル5 107.5kg 9セット(5、5、4、4、3、3、3、2、1)

(この後にいったんデロード期間を挿入します)

第2メゾサイクルでは、マイクロサイクル4と5で明らかなパフォーマンスの低下がみられます。

マイクロサイクル4では、きちんと回復が完了していれば最初の3〜4セット目は10レップは反復できるはずです。しかし、実際は8レップ以下に落ち込んでいます。

マイクロサイクル5では、さらにパフォーマンスの低下が顕著になっています。こちらのきちんと回復できていれば、8レップ程度は反復できるはずですが、実際には5レップ程度しか反復できませんでした。

これらのパフォーマンスの低下からみて、1つのマイクロサイクルにおけるMRVはおそらく7セットであると予想されます。

急性疲労と蓄積疲労の影響

ただし、真のMRVは7セットではない可能性もあります。

なぜかというと、急性疲労や蓄積疲労の影響を受けている可能性があるからです。

急性疲労とは、短期的な疲労です。これは主に睡眠不足、食事摂取不足、日常生活でのストレスなど、筋力トレーニング以外の要素によって起こります。

例えば、第2メゾサイクルで、仕事が忙しく、睡眠も不足していれば、本来のパフォーマンスは発揮できないことは容易に予測できます。

蓄積疲労とは、トレーニングによって少しずつ溜まっていく疲労です。

例えば、実際のMRVが12セットだとします。そして3セットから始めてMRVに達するまで1セットずつ各マイクロサイクルでボリュームを漸増していく(3→4→5…→11→12)とすると、12セットに達するには10ものマイクロサイクルを必要とします。これでは、12セットに辿り着く前に、疲労が蓄積しすぎて正確な評価が困難です。

疲労の影響を考慮してさらに正確なMRVを見つける

これらの急性疲労と蓄積疲労の影響を解決する方法するは、さらに数回のメゾサイクルにわたってMRVを評価し続けることです。

具体的には、上記の例を用いてみます。例では、7セットがMRVであると予測されました。ここでさらに強度とボリュームを増やして第3メゾサイクルに入ります。

第3メゾサイクル

マイクロサイクル1 100kg 7セット(10、10、10、10、10、9、9)

マイクロサイクル2 102.5kg 8セット(8、8、8、7、7、6、6、6)

マイクロサイクル3 105kg 9セット(6、5、5、4、4、3、3、2、2)

ここで、やはり7セットを行った後のマイクロサイクル2でパフォーマンスの低下が見られました。日常生活でも特別なストレスもなく、食事や睡眠も十分でした。

十分なデロード後に第3メゾサイクルに入ったにも関わらず、2つ目のマイクロサイクルでパフォーマンスが低下しており、蓄積疲労の影響も乏しいでしょう。

こうなるとやはり7セット程度がMRVであるというように判断されます。

さらに数回同様に評価すれば、毎回MRVは6〜8セット辺りで落ち着くはずです(少々の変動は正常です)。

ちなみに今回の例では、単純化のためにベンチプレスという1種目に限定して考えましたが、実際には、このような評価を各部位の各種目で同様に行います。

MRVは変動する

トレーニングを継続することで、MRVは緩やかにあるところまで増えていき、最終的にはほぼプラトーに達するというように、変動しうる指標です。

機能的オーバーリーチングのメリットを享受するために、毎回のメゾサイクルの最後をMRVで終えるのが理想です。

そのため、MRVに達したかどうかは各メゾサイクルで毎回評価する方が良いでしょう。

もし、前回のメゾサイクルでMRVに達していないと感じるようなら、次のメゾサイクルは少しだけボリュームを増やして開始するように修正してみてください。こうすることで緩やかに増えていくMRVに合わせてボリュームを増やしていくことが可能となります。

逆に早々にMRVに達してしまったと思われるときは、メゾサイクルを中断し、デロード期間に早めに入ることで、オーバートレーニングを避けることができます。

なるべく正確なMRVを知っておくことで、必要かつ十分なトレーニングを長時間にわたって行い、効率よく結果を出すことが可能となります。

まとめ

少なめのセット数からメゾサイクルを始める

各マイクロサイクルで1〜2セットずつボリュームを増やしていく

予想されるパフォーマンスが達成できなかったときはデロード期間に入る

新しいメゾサイクルを、前回より1〜2セット増やした量から開始する

上記のようにメゾサイクルを2〜4回ほど繰り返し、MRVを推定する。

MRVが分かれば、それがメゾサイクルの最終マイクロサイクルに来るように各マイクロサイクルのボリュームを設定する。

MRVは変動しうるので、適宜修正を加えていく。

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