筋肥大のためにはインターバルは長い方が良い

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今回はインターバル(セット間の休憩時間)の長さと筋肥大との関係についてです。

これまでボディービルディングの世界では伝統的に1〜2分程度の短いインターバルが使用されてきました。短いインターバルでは、バーン(Burn;焼けつくような感覚)やパンプ(pump;筋肉の膨張した感覚)が得られ、乳酸がより多く生成され、筋肥大効果が高まるというような理論でした。

しかし、実際のところ、短時間のインターバルは筋肥大効果を高めてくれるのでしょうか?

インターバルの長さと筋肥大

短時間のインターバルを利用しても、オールアウト付近まで追い込むワーキングセットの数(さらに厳密には「stimulating reps;刺激レップ」の数)が等しければ筋肥大効果は差がないというのが現在の通説です。

刺激レップとは、オールアウト手前の約5レップです。強い力を発揮しつつ動作が遅くなることで、筋肥大のポテンシャルの高い、高閾値モーターユニットに支配される筋繊維を動員させます。

また、有意差はないものの、長時間(3分)のインターバルの方が、短時間(1分)のインターバルよりも高度の筋肥大を示したというもあります(ちなみに、同リンク内に示されているように、筋力向上のためには長時間インターバルの方が優れています)。

なぜ短時間のインターバルでは筋肥大効果が劣るのか

筋肥大効果と強く関連しているのは、刺激レップの数です。

5〜30RMという広い強度の範囲において、単純なボリューム(セット数×レップ数)やボリュームロード(セット数×レップ数×重量)と、筋肥大効果とは相関が薄いことが知られています。

ここで重要ながあります。

短時間(1分)と長時間(5分)とのインターバルで比較すると、長時間のインターバルの方が、ワークアウト4時間後のタンパク合成が高まったというものです。

確かに長時間インターバルの方が、セット数×レップ数やセット数×レップ数×重量は大きくなったのですが、それだけでは説明がつかないくらいの大きなタンパク合成の差でした。

ここで重要になってくるのが中枢神経疲労です。

中枢神経疲労とは

疲労とは筋肉の収縮によって発揮される力の一時的な減少です。

ワークアウトによって引き起こされる疲労は、末梢性疲労と中枢神経疲労に大別されます。

簡略化すると、末梢性疲労は筋繊維自体が発揮する力の低下であり、中枢神経疲労は筋肉を活性化させる力の低下です。

筋肉の活性化は、モーターユニット(運動単位)が活性化することによって起こります。

中枢神経疲労が起こると、筋肉自体の疲労とは関係なく、動員されるモーターユニットの数が減ってしまいます。

サイズの原理の通り、モーターユニットの活性化は低閾値のものから高閾値のものへと順に起こるため、中枢神経疲労によって働かなくなるのは、高閾値モーターユニットによって支配される筋繊維です。

重要なことに、筋肥大を起こすのは、この高閾値モーターユニットによって支配される筋繊維であるため、中枢神経疲労が起こると、筋肥大効果が低下する、ということになります。

なぜ短時間のインターバルで中枢神経疲労が高まるのか

中枢神経疲労は短時間持続性

中枢神経疲労は比較的短時間で消退します。

そのため、数分のインターバルの差が大きな効果の差となります。

有酸素運動は中枢神経疲労が起こりやすい

有酸素運動は筋力トレーニングに比べてより中枢神経疲労が起こりやすいです。

短時間インターバルでは有酸素運動と似たような状況になるため、中枢神経疲労の影響を受けやすくなります。

代謝産物の蓄積は中枢神経疲労を引き起こす

乳酸をはじめとした代謝産物の蓄積が中枢神経からの信号入力を妨げて中枢神経疲労を引き起こす可能性が示唆されています

まとめ

筋肥大効果は、刺激レップの数で決まる。

これは、緩徐な収縮速度で強い力を発揮し、高閾値モーターユニットによって支配される筋繊維に機械的負荷をかけるものである。

筋肥大のポテンシャルは高閾値モーターユニットによって支配される筋繊維ほど大きいため、これらの筋繊維を活性化できるかどうかが筋肥大効果を左右する。

中枢神経疲労が起こると、高閾値モーターユニットによって支配される筋繊維が動員されづらくなる。

そのため中枢神経疲労が起こった状態では筋肥大効果が低下してしまう。

中枢神経疲労は、その特性から、短時間インターバルの方が長時間インターバルより強くなる。

中枢神経疲労を軽減するために、十分な長さのインターバルを確保することが推奨される。

1〜2分程度の短いインターバルよりは、3〜5分程度の長いインターバルをとる方が良い。

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