強度を高めるほど主働筋への刺激が増すわけではない

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筋肉を成長させるためには、機械的張力が重要な刺激です。

機械的張力を高めるためには、重たい重量を使用することがポイントとなってきます。

しかし、重量を高めれば高めるほど、実際に筋肉への刺激は増すのでしょうか?

強度と筋肉の活動を調べた2つの実験

例1:ベンチプレスの場合

「Relationship between workload and neuromuscular activity in the bench press exercise」の画像検索結果

ボトムポジションにおける、ポーズ時の等尺性収縮での筋活動のデータです。

ベンチプレスの主働筋である大胸筋(pectoralis major)の筋電図上の活動(下図の実線)は、60%から70%の部分までは有意な上昇を示しているものの、80%から90%では上昇が頭打ちになっています。

このことから、大胸筋に限ってみれば、ベンチプレスでは80~90%の強度が最も刺激を高めつつ、反復回数を稼ぎやすいと言えます。

例2:グッドモーニングの場合

「good morning exercise」の画像検索結果

グッドモーニングは、上図のような、バーベルをかついで、前傾姿勢をとり、ハムストリングスをストレッチさせて負荷を与える種目です。

先ほどのベンチプレスでのデータとは異なり、グッドモーニングでは、強度を上げていくと、下図のように80%から90%の間でも、有意なハムストリングスの活性化の上昇が認められました。

このことから、グッドモーニングにおいては、ハムストリングスに最大の機械的張力をかけるには90%ほどの負荷が良いと思われます。

種目ごとに特有のスイートスポットがある

上記の2種目はあくまで例ですが、2つのデータが示すように、かなりの強度まで負荷を増していくほど直線的に筋肉のモータユニットの活性化が得られる種目と、わりと低めの強度で、モーターユニットの活性化がプラトーを迎えてしまう種目があるようです。

この所見は、種目ごとに特有の、主働筋の機械的張力が最大となるような「スイートスポット」が存在することを示唆しています。

スイートスポット以上にウエイトを増やしても、主働筋の機械的張力が増すことはありません。負荷のさらなる増加は、バランスをとったりするような他の相乗的な筋肉における活性化はもたらすものの、主働筋への刺激の増加は得られないでしょう。

必要以上の強度を用いることは、怪我のリスクを高めるだけでなく、反復回数を稼ぎにくくなるという欠点があります。

スイートスポットの目安

スイートスポットは種目によっても異なりますが、人によっても異なります。

骨格やウエイトトレーニングの経験は人によって異なるからです。

一般的には、その種目に適した体格で、技術に熟練している場合は、3~8RMほどの高めの強度が適していると思われます。

逆に、その種目に不利な体格であったり、技術的に未熟な場合は、5~12RM程度の低めの強度が適していることが多いです。

「dead lift torso arm」の画像検索結果

例えばデッドリフトの場合、腕が長く胴体が短い人は有利で、腕が短く胴体が長い人は不利

スイートスポットを探る上でポイントとなるのは、『納得のいくフォームで、可動域を最大限に使って動作できるということ』です。

この大前提を守った上で、機械的張力を最大限にしたいならば、なるべく重たい重量をチョイスすれば良いかと思われます。

種目ごとの目安

以下は多分に個人的意見も交えた、科学的根拠に基づかない推奨範囲です。

ただ、多くの人は下記の範囲にスイートスポットがあるように思われますので、最初の導入として、良ければ参考にしてみてください。

スクワット

「squat」の画像検索結果

3~8RM程度。

熟練するほどスイートスポットが3RM程度に近づく傾向があります。

初心者は5~10RM程度の、上記より少し低めの範囲内にスイートスポットがあることが多いです。

デッドリフト

「dead lift」の画像検索結果

2~5RM程度。初心者は3~8RM程度。

通常、デッドリフトではスクワットより少し高めの強度が適しています。デッドリフトは疲労によってフォームを維持するのが極端に難しくなるからです。

各種のロウ

「dumbbell row」の画像検索結果

8~15RM程度の低めの強度が、バーベルやダンベルなどを用いた各種のロウには適しています。

ロウは股関節の伸展や体の捻りなどを使うチーティングが容易に起こる難しい種目です。そのため、容易に主働筋以外へ負荷が逃げてしまいます。

引く動作にはチーティングを用いて、ネガティブに重点を置くという戦略もありますが、初心者にはかなり難しいと思われます。

プルアップ/チンアップ

「bent over row」の画像検索結果

5~10RM程度。

ロウ程はチーティングがしづらい種目なので、ロウよりも高めの強度が適用できます。

バーベルを用いたプレス系種目

「barbell press」の画像検索結果

5~10RMほど。

あまり重くしすぎると、上腕三頭筋や、ベンチプレスやインクラインプレスでは三角筋前部、オーバーヘッドプレスでは三角筋側方への負荷が増す傾向にあります。

ダンベルを用いたプレス系種目

「dumbbell press」の画像検索結果

8~15RM程度の低めの強度が適しています。

重すぎるとバランスの維持が問題となり、主働筋ではなく、姿勢を維持するための筋肉に多大は負荷がかかります。

下半身の各種目

「walking lunge」の画像検索結果

8~15RM程度。

下半身の種目では、バランスの維持に労力を要するため、あまりに高い負荷は適していません。とくにセット終盤では思わぬ怪我につながりかねません。

アイソレーション種目・マシン種目

「arm curl」の画像検索結果

8~15RM。

これらの種目を機械的張力を最大化させる目的で扱うことは多くないかと思われます。

アイソレーション種目はひとつの関節にかなりの負荷がかかることが多いため、腱を痛めやすいです。繰り返しになりますが、一般的には、高負荷を扱う種目ではなく、低負荷を適用するのが基本です。

まとめ

機械的張力を最大化するには、種目ごとに各人のスイートスポットがある。

スイートスポットは人によっても種目によっても差が大きい。

フォームを維持できる範囲で最も重たい重量を扱うというのが基本的なガイドラインとなる。

参考

Relationship between workload and neuromuscular activity in the bench press exercise

Effects of load on good morning kinematics and EMG activity

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