トレーニングの種類と目的に応じた使い分け

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一口にトレーニングといっても、ウェイトトレーニング、有酸素運動、メンタルトレーニングなどトレーニングには多種多様な種類があります。今回はその目的を確認し、それに応じて各種のトレーニングを使い分けできるようになりましょう

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トレーニングとは

例えばスポーツにおいてはトレーニングの目的は競技能力の向上です。

今回の記事では『トレーニングとは記録を向上させたり、試合に勝利することを目的に日々行うこと』と定義して書いていきたいと思いますが、健康増進においても応用することができると思います。

ウェイトトレーニング

ダンベルやバーベルなどの重りを負荷として使用するトレーニングで、筋力や筋持久力の向上や筋肥大といった効果が望めます。

ウェイトトレーニングの目的を考える上で負荷の使い分けと種目の使い分けが重要です。

負荷の使い分け

まず負荷の使い分けですが、その理解に欠かせないのが『%RM』という指標です。

%RMとは

RMとはRepetition Maximumの略で、最大反復回数と呼ばれます。

例えば1RMなら1回しか反復できない重量のことで、5RMならば5回しか反復できない重量のことです。

そして、%RMとはある重さが1RMの重量に対して何%の重さであるかという意味です。ある重さがどれくらいの負荷となるかの指標として使われます。

例えばある種目において50㎏を1回持ち上げるのが限界だとします。

この場合は1RMとは1回しか動作を反復できない重さのことなので1RM=50㎏ですね。

1RMが50㎏の場合、45㎏ならば50㎏の90%の重さなので、45㎏の%RMは90%であるというように表現されます。

多少の誤差はありますが、RMごとに、それがどれくらいの%RMになるかは下表のようになることがわかっています。

また、負荷の強さに応じて、

  • パワー(瞬間的に大きな力を発揮する能力)
  • 筋骨格系(筋肉や骨の構造的強度)
  • 筋肥大(筋繊維の太さの向上)
  • 筋持久力(同じ動作を効率よく長時間続ける能力)

のいずれが主に鍛えられるかが変わってきます。

最大反復回数(RM)

%RM トレーニングの主な目的

3 

100

95

93 

パワーの強化

90

87

85

83 

筋骨格系の強化、(パワーの強化)

10

11

12

80

77

75

73

70

筋肥大、(パワーの強化、筋骨格系の強化、筋持久力の強化)

13

14

15

67

65

63

筋持久力の強化、(筋肥大)
16~20回 60~50 筋持久力の強化
20回以上 50未満 ウォーミングアップやフォームチェックなど。

上記の表より、だいたい8~12回くらいしか動作を繰り返せない程度の重さを使ってトレーニングしていけば筋肥大には効率が良いし、筋持久力を鍛えたい場合は16~20回くらいしか動作を繰り返せない程度の重さを使ってトレーニングすれば効率が良いことがわかります。

主に高重量では神経系に働きかけ、一度の動作に動員できる筋繊維の数が増えることでパワーが強化されます。そして主に中程度の負荷ではある程度の重さを用いて血流を抑制しつつも1セットの時間を長時間確保できるようになるので、乳酸がよく生成され、それが効率よい筋肥大を促します。低負荷では速筋と呼ばれる筋繊維は動員されづらいのですが、遅筋とよばれる筋繊維がよく働き、同じ動作を長時間続ける能力が向上します。

種目の使い分け

コンパウンド種目とアイソレーション種目

コンパウンド種目は、複合関節種目とも呼ばれ、多くの関節が関わる運動のことです。多くの関節を動かすということはそれに関わる筋肉も多くなります。その分、多くの筋肉が動員され、重い重量を扱うことができ身体の強さを効率よく強化できます。また、多くの筋群をうまく連動させるため、神経系の発達にもつながります。その他、実際の競技動作に近い運動を鍛えることができる、全身をバランス良く鍛えやすい、効率よく多量の成長ホルモンなどを分泌させることができるなど利点が多いです。効率よく強い負荷を全身に与えるためにウェイトトレーニングでは、コンパウンド種目を軸にメニューを組んでいくことが重要です。

例として、スクワット、ベンチプレス、デッドリフト、オーバーヘッドプレス、チンニング(プルアップ/チンアップ)、ランジ、ベントオーバーロウなどがあります。

一方、アイソレーション種目とは、単関節運動とも呼ばれ、基本的には1つの関節の屈曲・伸展を行う種目です。動作を行う筋肉を意識しやすいため、意思と筋肉との連動性(mind-muscle connection)を強めることができます。また個別の筋肉を狙って鍛えやすいという特徴があり、ボディビルなどにおいて身体の細かい見た目を整えるのに用いられます。その他、リハビリにおいては、故障した部分に負担をかけずに健常な部分を鍛えたり、故障した部分を少しずつ負荷に慣らしたりするのにも活用されます。

例として、アームカール、サイドレイズ、ダンベルフライ、レッグエクステンション、レッグカール、カーフレイズなどがあります。

通常では、初心者はコンパウンド種目のみで種目数を絞って全身を鍛えるのがお勧めです。上級者は、まずコンパウンド種目で全身を効率よく刺激し、その後に適宜アイソレーション種目を導入してピンポイントに弱点部位を鍛えましょう。

※参考:事前疲労法(予備疲労法、プレイグゾースト法:pre exhaustion methodとも呼ばれる)という方法があります。通常コンパウンド種目→アイソレーション種目の順番で行うのが一般的ですが、あえてアイソレーション種目→コンパウンド種目の順番でトレーニングすることで、弱点部位に重点的に負荷を与える方法です。

有酸素運動

有酸素運動は大きくわけて、インターバルトレーニングに代表される強度の高いものから、ジョギングやウォーキングに代表される強度の低いものまでがあります。

有酸素運動も強度によって効果が異なってきます。

有酸素運動の場合、強度の指標にひとつは心拍数です。220-(年齢)=最大心拍数(HRM:Heart Rate MAX)として、その何%の心拍数(%HRM)であるかによって分類されます。

最大心拍数に対する割合(%HRM) 主な効果  例
100~90% 最大酸素摂取量の向上  2〜5分程の短時間でのかなり強い負荷の運動を繰り返すインターバルトレーニング
90~80% 乳酸閾値の向上  中程度の時間でやや強い負荷の運動を繰り返すインターバルトレーニング
80~70% 心肺機能の向上  ペース走など
70~60% 脂肪燃焼  一般的なランニング、速いペースでのウォーキングなど
60~50% ウォームアップ、アクティブレスト ジョギング、ウォーキングなど 

それぞれ心臓の1回拍出量の増加、肺での酸素の取り込み能力の強化、毛細血管やミトコンドリアの増加による末梢組織での酸素取り込み能力やエネルギー産生や乳酸代謝能力の向上が起こります。それらによって最大酸素摂取量や乳酸閾値が向上して、より強い負荷の運動を長時間続けることができるようになるというわけです。

注意:低負荷の有酸素運動を行いすぎない

有酸素運動は心肺機能を強化や乳酸代謝能力の向上などからウェイトトレーニングにも好影響を及ぼします。また軽い有酸素運動は気分のリフレッシュ効果もあります。

ただし、あまりに強度の低い運動をだらだらと長時間続けると、内分泌系などは筋肉を必要以上に増やさない方向に変化します。大きな力を発揮する必要がなければただの重りとしかならない大きな筋肉は長時間の低強度の運動の持続のためには非合理的だからです。つまり、筋肉をつけながら脂肪を落とすという目的には適合せず、筋肉も脂肪も少ない体になってしまうというわけです。

サッカーやラグビーなどある程度の持久系能力が必要な場合に有酸素運動を取り入れる際は、インターバルトレーニングなどで強めの負荷をかけて短時間で集中的に行うようにしましょう。

プライオメトリクス

プライオメトリクス(plyometrics)とは、連続ジャンプに代表されるような、筋肉が一瞬引き伸ばされた後に強力に収縮するような動作を行うトレーニングです。

このトレーニングはストレッチ・ショートニング・サイクルを利用して、半強制的に通常よりも大きな収縮力を発揮させることで神経系が強化されます。それによりパワー(短時間で爆発的に力を出す能力)の強化を行うことが目的です。

ジャンプなど一瞬で大きな力を出す能力のアップのためには必須と言えるトレーニングです。

例として、腿上げジャンプ、ボックスジャンプ、バウンディング、クラッピングプッシュアップ、スクワットジャンプなどがあります。

通常のウェイトトレーニングと組み合わせることで、より効率的にパワーが強化されるといわれています。このジャンプアタックという本はプライオメトリクスとウェイトトレーニングとストレッチの組み合わせを用いたトレーニング方法が書かれた本で、古い本ですがジャンプ力アップには非常にお勧めです。(自身も学生時代はこのトレーニングを行い垂直跳びが3か月で6㎝ほど伸びました)

アジリティートレーニング

アジリティー(agility)とは機敏さ・敏捷性のことで、急発進や急停止や急激な方向転換を行う能力のことです。

神経系に働きかけて、効率的な体重移動の方法ができるような体の使い方を覚えるのがこのトレーニングの目的です。

例としてミニコーンを使ってストップ・ダッシュ・方向転換を繰り返すようなトレーニングやラダーでのステップワークなどがあります。俗にいうフットワークと言われるトレーニングがこれに相当することが多いです。

バスケットボールのクロスオーバーなどはこの能力が大きくものを言います。(アイバーソンのクロスオーバーは神業ですね)

柔軟性

怪我の防止や疲労の軽減の他、体操競技などでは競技能力にも直接関係します。

静的ストレッチが代表的です。

メンタルトレーニング

日頃の練習の成果を本番でも平常通り発揮するためのトレーニングです。また、日頃の練習をよりアグレッシブに行うという効果や、新たなプレーやひらめきを引き出すという効果も期待できます。

ある状況を心の中でシュミレーションしておくことで慣れておくということや、ある状況になった場合に、否定的なとらえ方をせず肯定的にとらえるようにしておくことで怒りや不安といった余計な感情が介入しないようにしておくといった効果があります。

例として瞑想やイメージトレーニングなどが挙げられます。

(メンタルトレーニングの本ではこの西田文郎さんの書籍が一番おすすめです。わかりやすい内容である上に日常生活に活かせる内容も多いです。同著者の本はいくつかありますがどれも良かったので興味があればぜひ一読してみてください)

競技トレーニング

例えば野球であればピッチング練習やバッティング練習など、競技の実際の動きを取り出したトレーニングです。練習試合はこの最たるものです。

実際の競技と同じ動作を反復することで、より効率的で洗練された動作を安定して行えるようにするという効果があります。また戦略や状況判断など競技に特異的な思考を鍛える効果もあります。

まとめ

体力は、筋力だけではなく、持久力や瞬発力や柔軟性や俊敏性やメンタルタフネスなどさまざまな要素から構成されます。残念ながらウェイトトレーニングだけではこれらすべてを鍛えることができません。体力を各要素に分けて理解し、各競技ごとに必要な体力の要素のバランスを考え、それぞれを鍛えるのに特化したトレーニングをうまく組み合わせることで理想的な競技能力の向上が図れます。

ぜひ一度自分のトレーニングプランが偏ったものになっていないか考えてみてください。

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