スクワットやデッドリフトと腹筋

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スクワットやデッドリフトである程度腹筋も鍛えられるため、他の体幹のトレーニングは不要と考えている人は少なくありません。

しかし、実際はそれは正しくないようなので、その辺りの解説をしてみたいと思います。

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スクワットやデッドリフトは腹筋への刺激は小さい

では、実際のところ、スクワットやデッドリフトは、体幹部の筋肉をどれくらい活性化させるのでしょうか。

筋電図での結果をみてみましょう。

1つ目は、バックスクワット(BS)、オーバーヘッドスクワット(OS)、フロントプランク(FP)、サイドプランク(SP)、スイスボールジャックナイフ(SJK)、ストレートレッグシットアップ(SLU)の各種目における腹直筋、外腹斜筋、脊柱起立筋の筋電図結果です。

バックスクワットでの腹直筋での活動は非常に小さいことが分かると思います。

同じく、バックスクワットの外腹斜筋への刺激も非常に小さいものになっています。

上記の2つのグラフから、スクワットを行なうよりもシットアップをした方が腹直筋や外腹斜筋への刺激は大きいことが分かります。

また、スクワットは脊柱起立筋への刺激は非常に強いことも分かります。

他にも、以下のようなスクワットやデッドリフトなどにおける腹直筋と外腹斜筋の筋電図の結果もあり、どちらも同様に活性が低いことが示されています(プッシュアップでの刺激にも満たない程度)()。

物理的にも腹筋を強く収縮させるのは不利

スクワットやデッドリフトでは、脊椎はニュートラルポジションを保持しなければなりません。

ちょうどシーソーのように、バーベルによる脊椎の屈曲モーメントと、脊柱起立筋による脊椎の伸展モーメントが釣り合って平行になっている状態です

しかし、腹直筋や外腹斜筋を強く収縮させると、脊椎の屈曲モーメントが増してしまいます。

そうすると脊椎をニュートラルポジションに保つ(すなわちシーソーを平行に保つ)ためには、脊柱起立筋はさらに大きな伸展モーメントを発生させなければならなくなります。

これでは本来脊柱起立筋が扱えるはずの重量が扱えなくなってしまいます。

腹筋の使い方がポイント:ブレイシング

スクワットやデッドリフトでは、腹直筋や外腹斜筋といった体幹を大きく動かす筋肉は強く収縮しないことが分かりました。では、スクワットやデッドリフトではどのように腹筋を使えば良いのでしょうか?

ここで大切になってくるのがインナーマッスルです。

スクワットやデッドリフトでは、脊椎をニュートラルポジションに保つために腹圧を高めることが重要です。

腹圧を高めることで、腰椎を安定化させることができるからです。

腹圧を高めるにはブレイシングと呼ばれる方法を使います。ブレイシングは内腹斜筋などのインナーマッスルが強く活性化されます

まずは大きく息を吸い込みます。これは横隔膜の下制や肋間筋などの収縮の作用です。

しかし、普通に目一杯息を吸い込むと肋骨が前後左右に開き胸郭が上がってしまいます。

そこで内腹斜筋をはじめとした腹筋群によって胸郭を骨盤側に引き下ろします。

胸郭が下がると腹腔が広がって圧が逃げようとするので、これを内腹斜筋と腹横筋でグッと腹腔を引き締めて押さえ込みます。

ちなみに、もしリフティングベルトを装着するのであれば、大きく息を吸い込みつつも、胸が上がらないようにし、ベルトに向かって360°全周性に思いっきりお腹を膨らませるような力の入れ方をすれば良いです。

これによって高い腹腔内圧が生まれ、脊椎のポジションの安定化につながるのです。

まとめ

スクワットやデッドリフトでは、腹直筋や外腹斜筋などの目に見える腹筋はあまり強く収縮していない。

腹直筋や外腹斜筋を強く収縮させると、脊椎の屈曲モーメントが余計にかかるため物理的にも不利。

腹直筋や外腹斜筋など、見た目に現れる筋肉を鍛える目的であればスクワットやデッドリフトは不適切であり、シットアップなど腹筋を直接刺激する種目を導入するべき。

スクワットやデッドリフトではブレイシングが重要であり、内腹斜筋などのインナーマッスルは強く収縮している。

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