徹頭徹尾!スクワットのフォーム解説

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今回はスクワットのフォームについてまとめてみました。安全かつ効果的にスクワットを行うために大切なポイントがいくつかあるので、これを読んで何度も何度も練習してみてください。

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はじめに

スクワットを学ぶ前に、まずは力学の基礎を押さえておきましょう。

重力について

ウエイトトレーニングは重力に抗って行う運動です。重力はいつでもどこでも必ず鉛直方向(いわゆる垂直方向)に向かって作用します。

バーベルをはじめとしたウエイトは常に重力によって真下に向かって抵抗がかかるということです。そのため、バーベルを垂直に動かすことが最も効率のよい運動となります

物理学の基礎ですが、仕事とは重りを動かす力(Force)と重りを動かした距離(Distance)によって決まるので、最短距離で動かすことで効率よく動作できるというわけです。

重心について

通常、立った状態の人体の重心(Center of mass)というのは骨盤部の仙骨辺りにあります。一方、バーベルの重心はバーの中間部にあります。

そのため、「バーベル+人体」という物体の重心はバーの中間と仙骨の間のどこかに位置することになります。

バーベルの重さが増すにつれて、「バーベル+人体」の重心はバーベルの重心に近づいていき、重たい重量になってくるとほぼバーベルの重心に等しくなります。

人体、バーベル、「人体+バーベル」の重心

バーベルが重くなるにつれて、、「人体+バーベル」の重心はバーベルの重心に近づく。

実際にはバーベルは十分重たいため、動作中は終始バーベルを重心と考えてバランスをとればよいと言えます。

バランスをとるためには、下図のように重心(すなわちバーベル)が「足の中間部の真上(=mid-foot position)」にあることが大切です。挙上重量が増すほどに、より精緻にバーをmid-foot positon上に保つことが必要となります。

しゃがんだ姿勢においても重心(バーベル)がmid-foot positonにあることでバランスが保たれます。

mid-foot positionについて

足の中間部=mid-foot positionがバランスを保つ最重要ポイント

足関節は脛骨の角度を調整し、地面から受けた力を下半身へと伝える役目を担っています。

より安定を得るためには、下腿の筋群を働かせ、脛骨を傾かせることが不可欠であるため、踵ではなく、足の中間部が最も安定する箇所となります。

ちなみに、腓腹筋とハムストリングスと大腿四頭筋は全て膝関節で交差し、膝関節を安定化させています。股関節は筋肉と腱と靭帯の網目の中に位置しており、上体のバランスを保つことに寄与しています。

意図的に重心をmid-foot positionからずらすとバランスが崩れるのを感じると思います。そしてバランスを取り戻すために足を踏ん張ったり背中を反らしたりといった余分な労力が必要となるはずです。動作中に終始重心をmid-foot positionに保つことで余分な労力が不要となり、バーベルを挙上することに全ての筋力をつぎ込むことができるようになり、ひいてはそれが挙上重量UPにつながります。

重心がmid-foot positionからずれるとバランスが崩れる

重心の位置を決める3つの角度

体幹と大腿骨によって形成されるHip angle、体幹と地面によって形成されるBack angle、大腿骨と脛骨によって形成されるKnee angleの3つの角度を調整することで重心をmid-foot positionに保ちます

ちなみにフロントスクワットでは、バーを肩の前で担ぎます。この場合、重心をmid-foot position上に保つため、バックスクワットに比べて、体幹が直立に近くなり、膝が深く曲がっていることに気づくと思います。

自重スクワット(=ボトムポジションの習得)

まずはバーを担がずにスクワットを練習して、ボトムポジションについて学びます。

スタートポジション

まずはまっすぐ立つところからです。

かかとを肩幅くらいの距離に開いて、つま先を30度ほど開いて立ちます。

ボトムポジション

スタートポジションで足の向きと幅が決まったらしゃがみます。

ボトムポジションでは、しっかり膝を外へ開く意識を持つことが大切です。膝を開く意識をもつため、ひざの内側に肘を当てます。大腿骨とつま先の向きが平行になります。

ボトムポジションを習得するためのストレッチ

股関節は後方に下がり、膝関節はつま先より少しだけ前に出た位置になります。背中の角度は垂直ではなく約45度の前傾姿勢になります。

立ち上がる

ボトムポジションから立ち上がる際のポイントはお尻を上方に上げることです。前方ではなく上方です。また、膝を伸ばすとか、足で床を押すとかいうことは意識せず、ただお尻を真上に上げることだけを意識してください。スクワットのボトムポジションにおける駆動力はヒップドライブ(臀部を中心とした後方の筋肉で生み出される力)です。臀部の筋肉、内転筋、ハムストリングスを働かせるために、最も意識すべきはお尻の動きなのです。

視線

顎を引いて、脊椎をニュートラルポジションに保つことで、視線はややうつむき気味になります。約1m前を見るイメージです。

脊椎をニュートラルポジションに保つ結果、視線はややうつむき気味となる。下図のように顎をあげないこと。

顎が上がると、脊椎をニュートラルポジションに保てなくなるため、ヒップドライブが減弱してしまいます

バーベルスクワット

バーの高さ

パワーラックやスクワットスタンドにバーをセットするところから始めます。

バーが胸骨の中間(乳首よりやや高め)の高さになるようにセットしましょう。セットできる高さが微妙なときは低い方に設定しておいた方がやりやすいと思います。

バーを握る

バーを担ぐ高さと、肩の柔軟性によって最適な手の幅は変わってきます。

柔軟性が乏しい人は手幅が広い方がやりやすいです。ただ、可能な範囲で手幅を狭くしたほうが、肩周辺の筋肉が盛り上がることと、バーをより強く身体に引き付けることができるため、動作中にバーが滑り落ちにくくなります。また、手の幅が狭いほど上体のテンションを逃げづらくなる効果もあります。

不快にならない範囲で手幅は狭くして上背部を固める。

なるべく手幅を狭めることがバーの位置の安定化につながるため、親指をかけないサムレスグリップで握るのがお勧めです

左:手首が背屈してしている。中間:手首と前腕の軸が合っている。右:バーを担ぐ位置が低くなるほど前腕を回外させて小指側でバーを押さえるようにすると良い。

親指をかけようとすると、どうしても少し手幅を広げざるを得なくなります。また、サムレスグリップの方が手首が背屈しづらくなり、前腕と手の軸が合うようになります。

中にはどうしてもサムレスグリップがしっくりこない人もいると思います。その場合は親指をかけてオーバーハンドグリップで握っても構いません。要はバーを上背部にしっかり固定できるかどうかです。オーバーハンドグリップの場合は、上図の左側のように手首を背屈させた方が安定すると思います。

バーをかつぐ(ラック・アップ)

手が決まったらバーを担ぎます。目安としては肩甲骨の背面のでっぱり(肩甲骨棘)の辺りに担ぎます

ちなみに、首の付け根に担ぐのがhigh barで、肩甲骨棘の位置で担ぐのがlow barです。

バーを担ぐ位置の違い。左:high bar、右:low bar

バーが良い位置に来たら、肩甲骨を寄せて、胸を張って、ラックからバーを担ぎ上げます。正しい位置で担げていれば、バーがちょうど僧帽筋と三角筋後部の間の気持ちよく乗っかるポイントに収まるはずです。

前腕でバーを背中に押さえつけるように肘を引く

上図のように腕でバーを支えるのではありません。

なるべく手幅は狭くした方が良い。一度極端に狭くしてから、肘を引きながら少し緩めるようにするとやり易い。

ラック・アップの時からバーはmid-foot positionに保つ

スタートポジションへ移動

バーを担いだら、ラックとバーが当たらないように数歩後ろへ下がります。

左:2歩 中央:3歩 右:4歩

2~3歩の場合が多いです。ワイドスタンスでは4歩の場合もあります。

  • 2歩の場合、1歩目で後ろに下がり片足の位置を決め、2歩目で反対側の足の位置を決めます。
  • 3歩の場合、1歩目で後ろに下がり、2歩目で片足の位置を決め、3歩目で反対側の足の位置を決めます。
  • 4歩の場合、1歩目と後ろに下がり、2歩目で反対側の足の位置を肩幅程度に揃えます。3歩目で足を横に広げて片足の位置を決め、4歩目で反対側の足を広げて反対側の足の位置を決めます。

歩数が多くなるほど無駄な体力を使うので、なるべく少ない歩数でスタートポジションを取れるように練習しましょう。

スタートポジションの足の位置や幅や向きはバーベルがない場合と同じです。かかとを肩幅くらいの距離に開いて、つま先を30度ほど開いて立ちます。ワイドスタンスになるほどつま先の角度を開きますが、45度を超えるとバランスを保ちづらくなります。ナロウスタンスでは反対につま先の角度を15度くらいまで閉じることもあります。要は大腿骨と足の向きが平行になるようにしましょう。

スタンス(足の幅)について

左:狭めのスタンス 中央:スタンダードなスタンス 右:ワイドスタンス

基本はかかとと肩幅が同じくらいになることですが、パワーリフターの多くはワイドスタンスを採用しています。ワイドスタンスにするメリットは、パワーリフティングのルール上必要な深さまでしゃがむと、自然とブレーキがかかり、筋肉の弾性反発力が最大となります。また、内転勤群をフル稼働できるのも特長です。いずれも股関節を伸展させるのが楽になるため、挙上重量アップにつながります。一方、極端なワイドスタンスでは深くしゃがむことが難しくなります。ボディメイクや競技能力向上のためには、可動域を広くした方がメリットが大きいため、極端なワイドスタンスよりは通常のかかとを肩幅程度に開く方法が良いと思います。

もうひとつ考慮すべき点として、スポーツの競技能力向上を目指す場合、その競技に近い足幅を意識するのが良いです。

柔軟性や骨格の影響で、最適な足幅は人によって異なります。最初は最もスタンダードな肩幅くらいから練習を始めてみて、徐々に最も快適にしゃがめる足の幅に調整していくとよいでしょう。

スタートポジション

ラックアップして、後退したところで足の位置を決めたら、スタートポジションを取ります。

ここで大切なのは体幹部をしっかり固めることです。地面から受けた力をバーに余すところなく伝えるためには、体幹部が緩んでいてはいけません。

体幹部を固めるために、

  1. 胸を張って背すじを伸ばすこと
  2. 腹腔内圧を高めること

の2点が重要です。

背中に担いだバーの重さに抵抗するには背すじが伸びていなければいけません。そうでなければ体が丸まってしまって椎間板ヘルニアなどの脊椎のトラブルにもつながります。下背部だけでなく、上背部までしっかり収縮させて、下位から上位まで全ての脊椎が前屈しないようにします。

次に腹腔内圧を高める方法です。

トレーニングベルトを巻きます(諸説ありますが、トレーニング効果を高めたいなら少なくともメインセットではベルトを巻くことをお勧めします)。

ベルトを巻くことで腹腔内圧(横隔膜を介して副次的に胸腔内圧も)を高めることができる

腹式呼吸で大きく息を吸い込みます。これによってさらに胸を張ることができます。肩をすくめないように注意しましょう。

最後に吸い込んだ息をぐっとこらえて、吸い込んだ空気を腹筋で押さえ込むようなイメージで腹部に力をこめます。バルサルバ

大きく息を吸い込んでから息をこらえて(バルサルバ法)、腹筋を収縮させることで、胸腔内圧と腹腔内圧が高まる。これらの圧は脊椎を前方から安定化させる力になる。また、背筋を収縮させることによって、脊椎を後方から安定化させることができる。いずれも脊椎が前屈するのを防ぐことにつながる。

大きい力で脊椎を支えることで、脊椎の前屈を防ぎ、下半身の力を余すことなくバーに伝えることができる。

しゃがむ

大前提として、動作中も終始バーはmid-foot positionに保ちます。

「下へ」しゃがむか、「後ろへ」しゃがむか

上段:下へしゃがむ場合 下段:後方へしゃがむ場合

それぞれメリットとデメリットがあります。

下へしゃがむ場合

メリットとしては、深くしゃがみやすいことです。深くしゃがめるということは可動域が増すということです。それにより、臀部の筋肉をより強く刺激することができます。これは、一般的な身体の強化を目的としたトレーニングには適しています。

デメリットとしては、誰にでもできるわけではないということです。足首の関節が固い人はふくらはぎと太ももが接触するほど深くしゃがむことは難しく、自然と後方へしゃがむスクワットになります。

後ろへしゃがむ場合

自然と可動域に制限がかかるということは、パワーリフターにとってはメリットになります。パワーリフターは股関節が膝関節より低い位置になるまでしゃがんでいるかどうかがポイントなので、さらに深くしゃがむ必要がありません。必要最小限の深さまでしゃがんだ位置で最大限に臀部の筋肉がストレッチされるこの方法はパワーリフターにとっては最適となります。

また、臀部周囲がよくストレッチされるため、臀部やハムストリングスや下背部を中心としたヒップドライブの強化はやり易くなります。

デメリットとしては、膝関節の可動域が制限されるため、大腿四頭筋への刺激がやや減る傾向にあるということです。そのため大腿四頭筋を強化する種目を追加する方が良いかもしれません。

以上のように、下へしゃがむか後ろへしゃがむかにはそれぞれのメリットとデメリットがありますが、実際のトレーニングの効果の差は大したことはありません参考)。自分がしゃがみやすい方法でしゃがめば良いと思います。

しゃがむスピード

しゃがむスピードは、バランスを崩さない範囲内でなるべく速くします。速くしゃがむほどボトムポジションでわずかながら大きな反発力が得られます。

しゃがむ深さ

脊椎がニュートラルポジションを保てる範囲でなるべく深くしゃがみます。

深くしゃがむほど可動域が大きくなり、トレーニングとしての効果が高まります。

ただ、無理に深くしゃがむと、股関節の可動域が限界を迎えるため、「Butt wink」といって、腰椎が前屈してお尻がお辞儀してしまいます。こうなると体幹やハムストリングスの緊張がゆるんでしまいます。脊椎の屈曲は怪我の原因ともなります。そのため、Butt winkが起こる直前までしゃがむのが最適な深さです。ほとんどの人では、股関節が膝関節よりやや低い位置に来る辺りがこの深さに相当すると思います。

右:Butt wink(下背部が前屈している)

Butt winkが起こる直前は、最大限まで股関節が屈曲した状態です。臀筋やハムストリングスは最もストレッチされた状態となるため、その反動も最大となり、大きな収縮力が生まれます。これが立ち上がるときの初動の速度の上昇につながり、挙上重量アップにつながります。

ちなみに、フォームや柔軟性や骨格によってはふくらはぎと太ももが接触するまでButt winkが起こらない人もいます。その場合はその接触するときの反動を使えば、同様に勢いよく立ち上がることが可能となります。

ボトムポジション

ハイバースクワット,ローバースクワット

左:low bar 右:high bar

バーはmid-foot positionにあり、股関節が膝関節より低い位置まできたところがボトムポジションになります。

バーを担ぐ位置が低いほど前傾姿勢でお尻を後ろへ突き出した大勢になり、バーを担ぐ位置が高いほど膝が前へ出て、膝が深く曲がり体幹が直立に近くなります。

立ち上がる

初動(ボトムポジションからスティッキングポイントまで)

ここでのポイントは背中の角度を変えないことです。

左:ボトムポジション 中央:正しい方法 右:グッドモーニングスクワット

立ち上がる動作の初動を担うのはヒップドライブです。膝の伸展ではありません。自重での練習と同様に、お尻を上に上げる意識です。

臀部に比較して脚が弱いと、お尻だけ上に上がってしまいます(これはグッドモーニングスクワットと揶揄されます)。こうなるとバーがmid-foot positionからずれてしまい、バーの動きがぶれてしまいます。グッドモーニングスクワットは膝関節が伸ばせないために負荷を股関節へ受け流すために発生します。矯正するためには大腿四頭筋をしっかり鍛えましょう。フロントスクワットは、強制的に前傾姿勢をとれなくするため、グッドモーニングスクワットの矯正に有効です。

スティッキングポイント

スクワットにおけるスティッキングポイントは、股関節の位置が膝関節の高さを少しだけ超えたところにあります。ここがスクワットにおいて最も挙上が困難になるポイントです。

ここをバランスを崩さずに超えるポイントは体幹を起こしていくことです。スティッキングポイントの前までは体幹の角度はほとんど変えないように注意しましたが、スティッキングポイントの辺りからは徐々に起こしていきます。膝関節と股関節の伸展をシンクロさせて、バーをmid-foot positionに保ちつつ立ち上がるのです。ちょうどデッドリフトの終盤と似た動作になります。

ラックにバーを戻す

セットを終えたらバーをラックに戻します。

立ち上がった位置から数歩前へ歩いてからバーをラックに垂直に下ろします。立ち上がった位置からそのままラックにバーをひっかけようとするのはバランスを崩すため危険です。

呼吸法

しゃがむ直前に息を吸い込んだら、立ち上がるまで息をこらえます。この息をこらえる手技をバルサルバ法と呼びます。立ち上がったら呼吸を行い、次のレップに備えます。

バルサルバ法によって胸腔内圧が高まり脊椎がぶれにくくなり安定します。また息を止めることで筋肉に力が入りやすくなり、息を吐く場合よりも大きな力を発揮できます。

ただし、バルサルバ手技には大きな弱点があります。血圧が急上昇することと、脈が遅くなり、最悪の場合失神することもあるということです。わりと無意識にやってしまうこの息こらえですが、その危険性もしっかり知った上であまり長時間にならないように注意しつつ有効活用してみてください。

よくある誤り

つま先と太ももが平行になっていない

膝関節は解剖学的に屈曲と伸展しかできない構造になっています。つまり、捻るという運動ができないということです。膝に捻じれる力が大きく加わると、容易に膝を怪我をするので注意してください。

つま先と太ももは平行にする。足幅を開くほどつま先も外へ向ける。

立ち上がる時に膝が内側に入ってしまっている

無理な重量を上げる時によくあるのがこれです。内転筋に力が入りすぎてしまい内股になってしまっています。これも膝に無理な力が加わり痛める原因になります。膝は外へ開きましょう。

背骨がまっすぐ保たれていない

Butt winkや、立ち上がる際の顎上げが起こると、脊椎はニュートラルポジションを保てなくなり、体幹の緊張が解けてパワーロスにつながります。何より椎間板ヘルニアなど重大な事故の元になるので危険です。顎を上げない

背筋の緊張を保ち、背中を丸めず反らさず、終始真っ直ぐになるように心がける。

膝が前に出すぎている

人間の重心は骨盤にあるため、とくに意識せずにしゃがむとこのフォームに陥りやすいです。

膝が前に出ると、ハムストリングスなど背面の筋肉の緊張が解けてしまいます。これはヒップドライブの減弱につながります。また、負荷のほとんどを膝の前面の靭帯と大腿四頭筋で受けなければならなくなります。適切なフォームなら前面と背面でバランスよく受けていた負荷が、前面のみに集中することになり、筋肉のバランスの不均衡につながり、膝を痛める原因となります。

適切な膝の位置であれば、前面と背面の筋肉への負荷のバランスが良い。

膝が前方へずれると、背面の緊張がゆるみ、前面の負荷が増す。

膝が前に出る人のための矯正法

板などを膝の前に立てて、そこから拳1つほど離れて立ち、スクワットを行います。

膝が板に触れたところから、さらに十分に膝を開いて後方へ深くしゃがみ込むように練習しましょう。

後ろへしゃがみこむ意識を持つためには、後ろに椅子を用意してそこに座り込むイメージでスクワットをする練習も有効です。このとき本当に椅子に座りこむのではなく、お尻が椅子に触れる程度までしゃがんだらそこから自分の力で立ち上がるようにしましょう。

スタンスが狭すぎる

足の幅を狭めすぎると、股関節の屈曲できる範囲が狭まってしまい、深くしゃがめなくなります。

極端なナロウスタンスでは、大腿骨の前の筋肉が恥骨に当たって深くしゃがめない。

適度(30~45度くらい)に膝を外へ開くことで深くしゃがめる。

体幹が直立しすぎる

イメージとしてはスクワットはまっすぐ下へしゃがむと思っている人が多いです。

ローバースクワットであれば、適度な前傾姿勢を意識しましょう。直立しすぎると、後方の筋肉の緊張がゆるみやすく、ヒップドライブの減弱につながります。

また、立ち上がる際に胸を上げようとしすぎてしまうことも原因となります。立ち上がる動作はお尻を上に上げることを意識しましょう。

体幹が前傾しすぎる

立ち上がる動作中に体が前傾しやすくなります。動作中は常に胸を張って、背部の緊張を緩めないようにしましょう。

おわりに

スクワットのフォームについてたくさん写真を交えつつまとめてみました。最初は後ろへしゃがむという感覚がなかなかつかめないかもしれませんが筋力がついてくるにつれて徐々に安定してくると思うので地道に練習を重ねてください。バーベルスクワットも最初はバーベルバーのみから練習を重ね、しっかりフォームを固めてから少しずつ重たい重量にステップアップしていきましょう。それが結果的には早く強くなることにつながります。

スクワットをするとこんなにもたくさんの恩恵られます。ぜひ一生懸命取り組んでみてください。

参考

Starting Strength (English Edition)

How to Squat: The Definitive Guide • Stronger by Science
Do you want to learn how to squat, or learn how to squat better? If so, this guide will teach you everything you need to know.
Powerlifting Squat Technique
Many of the core, foundational biomechanical principles discussed in this article were gleaned from Mark Rippetoe's Starting Strength. Though the book is not ab...
How to Squat with Proper Form: The Definitive Guide | StrongLifts
My guide shows you how to Squat: proper stance and grip, where to look, how to avoid knee pain, and more. Get stronger with my technique tips.

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