本当にオールアウトは有効なのか?

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以前はオールアウトは筋トレにおいて必須の要素と考えられていました。

実際のところ、オールアウトすることは有益なのか有害なのか調べてみました。

オールアウトとは

オールアウト(all out)は、文字通り全部出し切るという意味で、もうそれ以上動作を繰り返せなくなるまで動作を反復することです。英語圏ではtrain to failureと呼ばれます。

オールアウトのメリット

ほとんどの研究で、オールアウトすることはしないことと比較して、筋肥大や筋力増強に同程度かもしくはより優れた結果をもたらすとされています(Mitchell et al., 2012Ogasawara et al., 2013Nóbrega and Libardi, 2016Gieβsing et al., 2016)。反対に、オールアウトした方が結果が悪くなるという報告はほとんど見当たりません。

また、低強度でトレーニングする場合や、トレーニング歴の長いリフターの場合には、よりオールアウトする方が優れた結果をもたらすことも示されています。 (Nóbrega and Libardi, 2016Mitchell et al., 2012)

反対に、初心者レベルの場合は、オールアウトしようがしまいが十分な成長が得られるという報告もあります。(Nóbrega and Libardi, 2016Nóbrega et al., 2017). Though many of the studies are not ecologically valid.

オールアウトのデメリット

オールアウトのデメリットは過度の疲労蓄積です。
それにより、怪我のリスクが高まることがいくつかの研究で示されています。 (Willardson, 2007Helms et al., 2014Davies et al., 2015Nóbrega and Libardi, 2016)
このように、オールアウトはオーバートレーニングやオーバーユースによる怪我のリスクを高めるため、長期にわたって行うべきではないという提言がされています。(Willardson, 2007)

さらに、オールアウトはワークアウト中の疲労感や不快感を高めるため、ワークアウトをより辛く感じるようになります。 (Sampson and Groeller, 2015,Davies et al., 2015Fisher et al., 2016)

そして、回復を遅らせることにつながります。 (Helms et al., 2014Davies et al., 2015González-Badillo et al., 2016Nóbrega and Libardi, 2016)

より多くのオールアウトするセットを含むようなプログラムは生理的にも心理的にも負担をかけるため、プログラムどおりにトレーニングを積むことが困難になります。(Wienke and Jekauc, 2016)

早期のセットでオールアウトすることも問題があります。例えば1セット目でオールアウトしてしまうと、以降のセットで反復できる回数が急減します。 (Senna et al., 2011Davies et al., 2015Fink et al., 2016González-Badillo et al., 2016Jenkins et al., 2016)。そのため、過度のオールアウトは、トレーニングの総合的なボリュームを減少させることになります(下図)。

1分のみのインターバルで毎セットオールアウトすると、反復できる回数が劇的に減少する。(3分のインターバルがあれば減少はある程度抑えられている)

オールアウトの研究の問題点

オールアウトの研究結果について挙げましたが、これらの結果を自身に対して安易に採用してよいかは疑問が残ります。

研究の環境が自身とは一致していない部分が多い可能性が高いからです。

問題点1 ほとんどがマシンでの単関節種目での研究

多くの研究はマシンを使って単関節種目でオールアウトさせて比較しています。このような種目は身体にかける生理的、心理的負担はかなり軽いです。

多くの研究では、オールアウト群は、毎セットオールアウトしていますが、もし高重量のスクワットやデッドリフトで、毎セットオールアウトしていたら容易にオーバートレーニングになることは目に見えています。

問題点2 ボリュームを揃えていない

通常筋肥大を比較する場合は、トレーニングのボリューム(セット数×レップ数)をそろえることが大切です。

しかし、多くの研究ではボリュームマッチングが行われておらず、オールアウト群でボリュームが多いです。これでは、オールアウトすとは関係なく、筋肥大や筋力が増大しやすい傾向にあるといえます。

問題点3 観察期間が短い

多くの研究の観察期間は3ヶ月以内と比較的短期間にとどまっています。

さらに長期にわたって比較した場合、オールアウト群が疲労のため結果が劣ることになる可能性が十分ありえます。

問題点4 研究同士で背景の差が大きい

種目、被験者、観察期間などの様々な項目が研究間で大きく異なっているため、一貫した結論を導くことは困難です。

問題点5 被験者の選択

多くの研究はトレーニング経験のない、大学生くらいの男性を対象としています。

トレーニング経験がない場合、あらゆるトレーニングの刺激で成長が得られてしまいます。つまりオールアウトするかしないかが結果の差を生むのではなく、トレーニングするかしないかが結果の差を生む可能性があります。

また、若い男性は疲労への耐性が強いことが予想され、オールアウトという強い負荷にも屈しにくい可能性が高く、オールアウトのデメリットがマスクされてしまっている可能性があります。

実用的なアドバイス

以上のように、オールアウトすることはメリットがデメリットを明らかに上回るかと言われると、正直いって怪しいところです。

このようなことを考慮してガイドラインを作るとすると、オールアウトをトレーニングに取り入れることを考えても良いケースとして、

トレーニング歴が長く自身の回復が追いついているかどうかを適切に判断できる人が、最大限まで筋肉への刺激を高めるために、期間限定で、低強度の単関節種目など比較的負担の少ない種目の最終セットのみに取り入れる

というものが考えられます。

これが当てはまるのは、ごく少数のトレーニーだけだと思います。少なくとも筋トレ初心者にはオールアウトは全く必要ないと思います。

トレーニングは長期的な積み重ねで結果を出すものなので、一度きりの追い込みに全精力を費やすのはあまり得策ではありません。一般的な趣味トレーニーは常にあと1~3回くらいは反復可能な程度にとどめておくのが妥当だと思います。

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