高頻度トレーニングは有効か?週3回と週6回の比較

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試験概要

背景

筋力トレーニングでは、筋肉量の増加が見られます。

これはワークアウトによって筋肉タンパク質合成(MPS)が促進されることが原因です。

タンパク質の合成が分解を上回ると筋肉の量は増えていきます。

トレーニング経験の乏しい人の場合は、筋肉タンパク質合成はワークアウト後48時間程にわたって促進されます。

このことから、American College of Sports Medicineは週に2〜3回のトレーニング頻度を推奨しています。

ただし、トレーニング歴が長くなると、この筋肉タンパク質合成の促進という反応は鈍くなっていき、ワークアウト後24時間程度しか持続しないことが確認されています。

また、筋肉タンパク質合成促進を刺激するには1回のワークアウトで数セットで十分であるということから、1つの仮説が生まれます。

それは「トレーニング歴が長い人においては、1回のワークアウト量を減らして、頻度を増やすことで筋肉量を効率よく増やすことができる」という仮説です。

この仮説を実証するためにあるが行われました。

Resistance Training Frequencies of 3 and 6 Times Per Week Produce Similar Muscular Adaptations in Resistance-Trained Men

方法

トレーニング(週2回以上のトレーニングを6ヶ月以上)経験のある27人の男性が、対象となりました。

対象の基本データとしては、年齢=22.6±2.1歳、身長=183.1±6.0cm、体重=87.2±11.6kgでした。

1週間に3回ワークアウトを行うグループ(RT3)と1週間に6回のワークアウトを行うグループ(RT6)にランダムに割り付けられました。

上の表のようなプログラムに従い、各セットは、6〜12レップの範囲で反復不能となるまで行われました。

トレーニングのボリュームは両群で等しく調整されました。

6週間のトレーニングの前後で、被験者はベンチプレス とスクワットの1RM、筋持久力、肘屈筋・肘伸筋・大腿直筋・外側広筋の筋肉の厚さを測定されました。

結果

両群で、筋力(1RMテスト)、筋量の向上が見られましたが、2つのグループの間で伸びに有意な差はありませんでした。

ただ、肘屈筋においてのみ、RT3の方がより大きな筋肉の厚さの増加を示しました。

筋持久力は向上は見られませんでした。

このことから、ボリュームが等しい場合には、週に3回のワークアウトでも週に6回のワークアウトでも差がないと結論されました。

考察

仮説の検証

この試験では、週3回でも週6回でも同様の筋力向上が見られ、筋肉量増加については週3回の方がやや好ましい結果となり、筋持久力向上は見られないという結果となりました。

筋肉タンパク質合成がRT6の方でより頻繁に刺激されたと推測されるにも関わらず、両群での筋肉量の変化は仮説に反してほぼ同等(場合によっては週3回の方が優れる)というものでした。

肘屈筋での筋肉量増加の差

肘屈筋の筋肉量増加がRT6では見られず、RT3でのみ見られたというのは興味深いポイントかもしれません。肘屈筋は背部の種目でも疲労していた可能性があり、肘伸筋と比較すると1回のワークアウトでの疲労が大きかったことが予想されます。この疲労の蓄積の大きさがRT6とRT3との肘屈筋の肥大の差につながった可能性があります。

筋力向上

筋力(ベンチプレス とスクワットの1RM)の向上についても両群で有意な差は見られませんでした。過去の複数の頻度と筋力を比較した研究(週に1vs2週に1vs3週に2vs4週に1vs5)においても筋力の向上に有意な差は見られませんでした。ただし、今回の試験は使用した強度が6〜12RMとやや軽く、毎回反復不能となるまで動作しているため、筋力向上には最適なトレーニングではなかった可能性があります。また、訓練期間も6週間と短いことも影響した可能性があります。

試験の制限

注意すべき点としては、被験者が非常に若いことが挙げられます。より高齢なトレーニーには頻度を下げた方が良い反応が見られることが多いです。

また対象が男性のみであることも注意点です。女性は男性よりトレーニングキャパシティが高いことが知られており、女性に絞った場合はRT6の方が良い結果になることもありえます。

実用的な教訓

実用的な教訓としては、初心者においては高頻度トレーニングのメリットはないと思われます。また、トレーニング歴を積んできた人であっても、無理に高頻度トレーニングに取り組む必要がないと示されたことはひとつのメリットかと思われます。

最後に、今後の展望として、強度を上げたり、オールアウトを避けたら筋量や筋力の向上に差は出るのかとか、女性ではどうなるのかなど、新たな疑問を解消するような試験が出てくることに期待です。

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