筋肥大のためのトレーニングボリュームの4つの指標

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筋肥大を促す刺激として、トレーニングボリュームは最も重視すべき要素です。

しかし、どれくらいの量のトレーニングを行ったら良いかということを知らないと、十分な筋肥大が起こらなかったり、疲労しすぎたりしてしまいます。

この記事でのトレーニングボリュームの定義

トレーニングボリュームは、文献によって様々な定義が混在していますが、ここでは、トレーニングボリュームを「1週間あたりのワーキングセットの数」で定義します。

ワーキングセットとは、いわゆる本番セットのことで、ウォーミングアップセットを終えた後に行うセットになります。

さらにワーキングセットの内容は以下のように仮定します。

• 強度は約60%1RM〜80%1RM

• 1セットあたりの反復回数は約8〜20回

• 自力でコンセントリック収縮ができなくなる(いわゆるオールアウト)の4〜1回手前まで動作を反復

この仮定した内容は多くの場合に用いられている方法とほぼ同様になるはずです。

逆に、この内容から大きく外れたやり方(やたらと低い強度、ほぼ1RMに近い強度、あまりに余力を残してセットを終えるなど)で行う場合は、筋肥大には効率が悪くなります。

おおよそ8〜20回反復できる重さでセットを行う場合には、筋肥大を促す十分な強度を保ちつつ、疲労と刺激のバランスが比較的一定となります。そのため、ここでは上記のような内容で行うワーキングセットの数をトレーニングボリュームの指標として用いています。

補助筋として働く筋肉はカウントするのか

例えばベンチプレスでは、主動筋である胸部に加えて、上腕三頭筋が補助筋として鍛えられます。

ベンチプレスを10セット行ったとして、これを胸部と上腕三頭筋の両方に等しく10セット分のボリュームとカウントするのは不適切です。

細かく考えると、10セット分の半分くらいと考えるのが適切ですが、そうすると計算がかなりややこしくなってしまいます。

そこで、単純化するために、トレーニングボリュームとしてカウントするのは、その種目で主動筋として働く部位だけに限定します。

4つのトレーニングボリュームの指標

最適なトレーニングボリュームを考えるにあたって、以下の4つの項目が重要になってきます。

1. MV:maintenance volume=維持量

2. MEV:minimum effective volume=最小有効量

3. MAV:maximum adaptive volume=最大適応量

4. MRV:maximum recoverable volume=最大回復可能量

MV(維持量)

MVは現在の筋肉のサイズを維持するためのトレーニングボリュームです。

全くウエイトトレーニングをしなければ、苦労して獲得した筋肉の量は徐々に減っていきます。そのため、少なくともMVでトレーニングを継続する必要があります。

75%1RM以上の比較的高強度でトレーニングを続ける場合、1週間辺り6セット(多くてもせいぜい8セット程度)でほとんどの筋量を維持することができます。

MVが重要になるのは、デロード期間や、競技選手のシーズン中などです。これらの期間はあえて筋力トレーニングの量を減らす必要が出てきます。そのような場合に、このMVを意識してボリュームを設定すると効率が良いでしょう。

MEV(最小有効量)

MEVは、実際に筋肥大を起こすために必要最低限のボリュームです。

大体1週間あたり8〜10セット程度です。

MEV以下の量では筋肥大はあまり起こらず、せいぜい維持するのが精一杯となる可能性が高いです。そのため、筋肥大が目的である場合、MEV以上のボリュームを確保することが必要条件になってきます。

MEVは文字通り筋肥大を起こすための最低限の量であるため、この量を目標にトレーニングを続けることは効率的ではありません。しかし、漸進性過負荷の法則を考慮して、徐々にトレーニングボリュームを増やしていく場合、サイクルの初期にMEVを目標に設定することは悪くありません。

初心者の場合は、MEVとMVはほとんど同じになります。しかし、トレーニング経験を積むに連れて、徐々にMVよりMEVが大きくなってきます。

MAV(最大適応量)

MAVは、筋肥大効果を最大にするトレーニングボリュームです。

MAVは、理論的にはMVとMRVの間に存在します。目安としては1週間あたり10〜20セットくらいです。

これは、他の指標よりもかなり幅広くなっています。なぜなら漸進性過負荷の法則のため、トレーニングボリュームは徐々に増やしていく必要があるからです。

このようにMAVは週ごと(正確にはマイクロサイクルごと)に徐々に増えていきます。それに合わせてトレーニングボリュームを増やしていくことで最も効率よく筋肥大を起こせるというわけです。このように最大適応量に応じてボリュームを変化させていくことが効率よく筋肥大を促すためのポイントです。

MRV(最大回復可能量)

MRVは、回復可能な最大のトレーニングボリュームです。MRVでトレーニングしても、回復するのに精一杯になるため、筋肥大効果はほとんどありません。また、これを超える量でトレーニングを続けると、オーバートレーニングに陥ります。

オーバートレーニングのサインは色々ありますが、朝の目覚めが悪い、なんとなくだるい、トレーニングに対して積極的な気分になれない、寝つきが悪いなどがありえます。

MRVは、部位・トレーニング歴・種目・一般的な生活での各種ストレス・食事・睡眠など非常に多数の要素に影響されますが、おおよそ1週間あたり20セット前後になります。

MRVはサイクルのゴールとなるボリュームです。強度だけでなく、ボリュームについても過負荷を与えることで、徐々にキャパシティーが増えていき、より大きなボリュームのトレーニングをこなせるようになっていきます。そのため、サイクルの最後の週で一度MRVに至り、他の週は常にMRVより少ないトレーニングボリュームを維持するのが良いです。

これらの指標は一定ではない

まず、上記のようなトレーニングボリュームの目安は個人差があります。

同じトレーニーであっても、トレーニング経験を積むにつれて徐々に変化していくことがありえます。とくにMEVはトレーニング経験を積むとMVから乖離する傾向にあります。

また、食事や睡眠や社会生活でのストレスなどのトレーニング以外の要素も影響を及ぼしてきます。

他にも種目や種目順によっても変動してきます。

このように、トレーニングボリュームに関する各種指標は変動するのが常であるため、個々人が自身の目安をきちんと知っておく必要があります。

自分自身に最適なボリュームの見つけ方

MVの見つけ方

激しいトレーニングをずっと続けていると、刺激に対する反応が鈍ってくるため、少なくとも4〜6ヶ月に1回ほどはMVでのトレーニングを行うメンテナンス期を挟む必要があります。

最初はMVは6セットを目安にします。

それで筋力が維持できているようなら次回のメンテナンス期ではさらにボリュームを減らします。実際は6セットよりもMVは少ないことが多いでしょう。

もし見積もったMVでは筋力が維持できない場合は、次回のメンテナンス期で上方修正します。

MEVの見つけ方

正確なMEVを見積もることは難しいです。

最初は8セット程度から4〜6週間のメゾサイクルを回してみます。

サイクルの終わりに筋力が上がっているようならMEV以上でサイクルを開始できたと判断できます。

次に2セットほど減らして同じ周期のサイクルを回してみます。これでもサイクルの終わりに筋力が上がっているようなら、MEVの見積もりを下方修正します。逆に筋力が維持〜低下した場合は、MEV未満であったと判断されるので、次のサイクルではMEVを上方修正します。

このように正確なMEVを知るには時間がかかる上に、2〜3年以上のトレーニング経験がなければ、多くの場合はMVとMEVは同程度なので、無理に自身の正確なMEVにこだわる必要はありません。

MAVの見つけ方

MAVは理論的にはMEVとMRVの中間になります。

ただ、MAVは変動する上でに、ずっと同じボリュームでトレーニングを続けても効果は鈍ってくるので、周期的にボリュームを変えていく方が実用的です。そのため、MAVの細かい数値にこだわる必要はあまりありません。

MRVの見つけ方

MRVを推定するためには、トレーニング記録によるフィードバックを繰り返すことが必要です。

最初は、MEVから1週間毎に徐々にセット数や重量を増やしていきます。ある時点で、回復が追いつかなくなったと感じるはずです。そう感じたら、直前の週のトレーニングボリュームを確認します。それが自身のMRVの最初の目安となります。

MRVの目安ができたら、いったんデロードを挟み、その後に次のサイクルに入ります。

2回目のサイクルは、推定されたMRVから1週間あたり6〜8セットほど少なくしたボリュームで開始します。そして4〜6週間かけてまた徐々に強度と週ごとのボリュームを増やしていきます。もし予想より早く回復困難になればMRVの見積もりを下方修正します。逆に予想より多量のボリュームがこなせるようであればMRVを上方修正します。

このような具合で3〜4サイクルほど繰り返すと、おおよそのMRVがつかめてくると思います。MRVは食事や睡眠などの他の要素の影響も受けて、3〜5セットほどの幅で変動します。

メゾサイクルの例

最後にまとめとして、MEVが12セット、MRVが20セットの場合の、各週のセット数のサンプルを例示してみます。

1サイクル目

1週目 12セット(MEV)

2週目 14セット

3週目 16セット

4週目 18セット

5週目 20セット(MRV)

6週目 6セット(MVでデロード)

各週の使用重量を最小限増やし、上記と同様に2サイクル目へ。

自身の回復状況に合わせてサイクルの長さや週毎のボリュームは調整していってください。

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