パワーリフターの強さの指標「Wilks係数」とは

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今回は、Wilks係数(うぃるくす・けいすう。Wilksスコア、Wilksの式などとも呼ばれます)という、主にパワーリフティング競技で使われる「強さ」の指標についてご紹介したいと思います。

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Wilks係数の意義

Wilks係数はオーストラリアのパワーリフティング協会の最高経営責任者のRobert Wilks氏が考案した指標です。

この数値があれば、体重が違う人同士の記録を比べることができるようになるのです。

一般的に、体重が増えるほど、重たい重量を扱うことができるようになります。例えば、ベンチプレス100㎏という記録があったときに、体重100㎏の人がこれを達成するより、体重50㎏の人がこれを達成する方が困難なのです。このように記録が同じであれば比較も容易なのですが、体重100㎏の人が150㎏挙上した場合と体重70㎏の人が140㎏挙上した場合には、どちらがより強いのか簡単には判断できません。

そこで適用されるのがこのWilks係数なのです。

Wilks係数の算出法

{\displaystyle {\textit {Coeff}}={\frac {500}{a+bx+cx^{2}+dx^{3}+ex^{4}+fx^{5}}}}

xには体重(㎏)を代入します。それぞれの係数は、男女によって以下のように異なります。

男性の場合は
a=-216.0475144
b=16.2606339
c=-0.002388645
d=-0.00113732
e=7.01863E-06
f=-1.291E-08

女性の場合:
a=594.31747775582
b=-27.23842536447
c=0.82112226871
d=-0.00930733913
e=4.731582E-05
f=-9.054E-08

上記のように通常の電卓でも算出できない複雑な式になっています。

ただ、世の中には、数値を代入するだけで計算してくれる便利なサイトがたくさんあります。

Wilks calculator

※使い方。性別(Gender)を選んで(例:男性ならMale)、体重を入力して、ビッグ3(ベンチプレス・デッドリフト・スクワット)のMAX重量の合計を入力したら、あとはCalculate(計算する)ボタンを押すだけです。

Wilks係数は妥当な基準なのか

こちらにその考察があります。

2012~2016年の全米パワーリフティング連盟での全階級のスコアを集めて検証したものです。男性8091名、女性3028名のデータで、体重に大きな偏りはありませんでした。

wilks_total

※1段目のグラフでは、体重が重くなると、挙上重量の合計も増えていくことがわかる。2段目のグラフでは、体重に関わらず、Wilks pointが300あたりが平均になっているのがわかる。3段目のグラフでは、挙上重量を体重で割った値も概ね良い指標だが、体重が重い人には不利になっているのがわかる。
 
下の表はWilks係数と、挙上重量÷体重の比較です。
-1から1の範囲で、0に近いほど体重と関係がないと言える。
Gender Division Athletes Lifted Weight Wilks Points Lifted / Body Weight
Men 8091 0.585 0.188 -0.231
Men Master 910 0.519 0.179 -0.232
Men Open 3789 0.584 0.178 -0.286
Men Teen 1587 0.566 0.116 -0.256
Men Junior 1608 0.618 0.157 -0.297
Women 3028 0.501 0.029 -0.279
Women Master 433 0.401 -0.146 -0.441
Women Open 1702 0.522 0.053 -0.273
Women Teen 315 0.533 0.061 -0.224
Women Junior 506 0.535 0.055 -0.239

※どの階級の記録でも、Wilks係数の方が0に近い(体重との関係が少ない)という結果。

その結果、以下のようなことがわかりました。

  • 概して体重が重いほど挙上重量が大きくなり、標準化が必要となる。
  • Wilks係数は女性では最適な、男性ではほぼ最適な標準化といえる。
  • Wilks係数の方が単純な体重による標準化よりも公平である。
  • (10代の男性を除いて)一般に年齢が増すにつれて挙上重量と体重は相関しなくなってくる。

また、Wilks係数ははビッグ3の合計重量を比べる指標ですが、1つ1つの種目の比較にもある程度使えることもわかりました。

数値の評価は?

かなり大まかなイメージですが、数値の評価の目安としては、

Wilks係数 評価
250

トレーニングをしていない一般人よりは少し強い程度。

トレーニーの中では平均的なレベル。

300

トレーニーの中では平均よりも少し強いレベル。

パワーリフターとしては脱初級者レベル。

350 パワーリフターの競技選手としてやっと戦う土俵に立ったレベル。
400 パワーリフターとして入賞を狙えるレベル
450 パワーリフターの中でもかなり強いレベル

トレーニーであればまずは300がひとつの登竜門といったところでしょう。

350を超えてくるとかなり一般人離れした力持ちと言えます。

まとめ

体重が違う人同士の間での記録の比較はWilks係数を用いて行うと良いです。

Wilks係数は主にパワーリフティングの競技で使用される指標ですが、自分の体重が変わっても記録の伸びを確認できるという効果もあります。

トレーニング記録は通常は他人と比較して一喜一憂するものではありませんが、モチベーションアップのための材料にはなるかもしれません。また、部活動などでチームのメンバーの記録の管理にも役立てることができるかもしれません。

興味がある方はぜひ一度自身の記録の位置づけを確認してみてください。

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